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inventor’s eye 山形発→おとなの発明サークル No.006

お客様の声で新しいニーズを発掘し、商品化を実現! 「便利ブラシ」特許出願編

From :山形県発明考案振興会

 

渦巻き状に植毛された「便利ブラシ」

渦巻き状に植毛された「便利ブラシ」

 

工業用ブラシから生活に必要なブラシへ

鶴岡市で工業用ブラシの製造販売会社を営む高橋正さん(58歳)は、各種ワイヤーブラシ製造会社に勤務した経験を活かし、平成2年に独立。お世話になった会社のご好意により、5年間は協力工場として面倒を見ていただきました。しかしその後は受注量が激減。金属の研磨などに用いられる工業用ブラシの市場が成熟していて、これ以上の需要の増加が期待できないという状況に直面したのです。

 

困難を前に高橋さんは、積み重ねてきた様々な技術や知識を駆使して、回転ブラシにしっかりした毛を植え付けることや回転バランスの安定化を図り、手植え加工の引き込みブラシという他社に負けない技術を確立しました。

 

そこに5年前の3.11東日本大震災が発生。福島での除染作業にデッキブラシを使っていることを知り、「自分もブラシで協力できないか」と思い立ち、農家のどこでも持っている刈払機との組み合わせを考案。取り付け部のネジの部分を改造し震災の現場に出掛けました。
結果、実用化は困難と分かったものの、「もっと住民の生活に密着した、役立てるようなものを開発しよう」と思いは進化していきます。

 

刈払機などに取り付けたところ

刈払機などに取り付けたところ

 

使用用途は広範囲、全国展開も視野に

「生活に密着したブラシとは何か」。それは今まで目を向けていなかった業種、建築業やサービス業、農業などのニーズや考え方を発見することでした。たとえば特産品である庄内柿のために春に行う木の表皮剝ぎ作業。従来は高圧洗浄機で行うため、発電機、大型水タンク、コードなどが必要で数人がかりでの作業になっていました。

 

高橋さんが新たに開発した「便利ブラシ」は、お得意の手植え加工の引き込みブラシをさらに発展させたもので、刈払機に取り付けて使用する植毛形状がらせん形状をしたうず巻ブラシです。果樹農家で実用試験を行うと、柿の木1本あたりの作業時間が4分の1、さらに作業人数も3分の1という驚く結果が出ました。

 

この方法を広めようと高橋さんは農業改良普及所、農業団体などへ出向きました。その間にも多種多様な意見や要望が生まれ、柿だけでなくラ・フランスなど特産品の木の表皮剥ぎ、船舶の底の海藻除去、舗装面の汚れ取りや豚舎の床掃除、温泉の浴槽掃除など様々な用途が提案されています。便利ブラシが多くの可能性を持っていることの証です。
また工業用研磨ブラシの新しい市場開拓新商品開発と使用方法の開発が認められ、平成24年度の山形県経営革新計画承認企業開発商品にもなりました。

 

この便利ブラシはただいま特許出願中です。出願番号/特願2012-093402。お問い合わせは、株式会社高橋工業 TEL.0235-57-2921まで。

 

【参考】木の表皮剝ぎ作業:果樹は年数が経つと樹皮が厚くなり、その中に冬眠のための害虫が入り、放置すると木が痛んだり、収穫量の減少を引き起こします。その対応の一つとして、樹皮を剥ぎ落とす作業を行い、害虫が入り込めないようにしています。

 

販売用のチラシ

販売用のチラシ

 

◎鶴岡少年少女発明クラブNEWS

2月27日、最後の活動はミニ工作の後で富樫指導員の特許講座を行いました。少し難しいお話ですが、キッズたちは真剣に聴いていました。3月5日は27年度の閉校式。秋山顧問をお迎えして行われ、その後は保護者の方も一緒の食事会で楽しい時を過ごしました。一年間の活動を経て成長したキッズたち。来年度の再会を祈って、お疲れ様でした!

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◎今月の発明家の言葉 〜Inventor’s Voice〜

発明はひらめきから。ひらめきは執念から。執念なきものに発明はない。

安藤百福(あんどう・ももふく)…日清食品の創業者として知られる実業家、発明家。世界初のインスタントラーメン「チキンラーメン」や世界初のカップめん「カップヌードル」の開発者であり、日本と世界の食文化に大きな変革をもたらした。

 

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【秋山鉄工株式会社】
●本社工場
〒997-0011
山形県鶴岡市宝田1丁目10-1
TEL 0235-22-1850
http://akiyamatekkou.tumblr.com

 

●日本国工場
〒997-0017
山形県鶴岡市日本国254-6

 

◆2016年4月号の記事より◆

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