段取り上手業者に訊く

仕事を上手くまわすコツ

◆取材・文:加藤俊 /文:菰田将司

夜景

仕事を終えて自宅に帰ると、深夜12時を廻っていた。

東京都で建築内装業を営んでいる「加藤建装」の加藤さんは、独立して以来、多くの仕事が舞い込み、帰宅は夜になることが多かった。それでも作業時間を無駄にできないから、眠い身体を引き摺って翌日の準備に取り掛かる。だが、準備が深夜にズレこむと、材料の手配が儘ならないことがある。結果、翌日の作業の時間を削って、ホームセンターに寄らなければならないはめに。多くの職人はそうした事態を避けるために、予め作業車に材料を詰め込む。加藤さんもそうだった。

「工具やネジを車のトランクにたくさん置いていました。さながら倉庫みたいなところがあって、でもこれだと工具を探すのに手間取ることがあるのです。質の良い仕事をするために時間は効率的に活用したい。それで部材調達を改善したくなったというのがきっかけでした」

「時間の読める」材料入手の方法を探した加藤さんは、ネジを専門に扱う「ネジクル」という通販サイトを見つける。

 加藤さんがネジクルを利用するようになって、三年ほど経つ。彼は愛用する理由を次のように話す。

「まず、大きなポイントが、購入履歴を辿れる点です。過去、自分が買ったネジであれば、それを履歴から探して簡単に発注することができるのですが、これが非常に便利です。ホームセンターでは手に入らないようなネジであっても、簡単に探せて、クリックひとつで手に入る。ネジクルのおかげで、かなりの時間を節約することができるようになりました」

例えば、仕事の準備をしながら深夜に在庫を見て発注、翌朝にはネジクルから発送され、希望の時間に手元に届く、ということもできるそうだ。

 

愛知県で機械据付業を営む「こみや電工」の小宮さんも「最近はタブレットを仕事場に持ち込んで、そこから発注しています」と語る。

こみや電工 小宮さん

「現場の予定によりネジの調達をしなければならないのですが、一人で仕事をしているのでネジ屋の納品のペースに合わせるのは難しかった。ネジクルは検索スピードも良好ですし、午前中発注すれば翌日の昼には届くので、自分の発注したネジが今どこにあるのかをチェックしながら便利に使っています。いつ発送され、自分の手元に届くのは何時ごろになるのか。これを知ることができるので、自分の仕事の段取りに組み込めるのです」(小宮さん)

 

職人の技量は、段取り如何にかかっている。事前準備を怠れば、良い仕事はできない。ネジクルはこの種の仕事を助ける機能が他サイトよりも充実している点が評価され、躍進に繋がっているのだろう。事実、それを裏付けるように、ここ数年で、ネジクル全体の顧客の中で、工事関係の業者の割合が10%を占めるようになったそうだ。

世の中の動向を考えると、自営業者として働く職人の数は今後も増加傾向にある。そうなると、ますます仕事の相談を気楽にできるネットワークづくりが求められるようになる。既に現段階においても、ネジクルには「仕事の効率化を相談する顧客が増えている」と、運営する株式会社ツルガの社長敦賀伸吾氏は言う。

 

株式会社ツルガ 敦賀伸吾氏「私どもは、お客様が仕事を円滑に行うためのパートナーとなっていきたい。商品の問い合わせだけでなく、自社の課題や要望などを率直にお話し頂くことで、ネジクルを最大限有効に活用して、在庫状況やお届けする時間など最適な提案をすることもできます。

現に多くのお客様と希望する配達時間をきめ細かく取り決めております。お客様が質の良い仕事をして頂くための手助けを微力ながらも行っておりますから、悩みを自分で抱えることなく、お気軽にご相談ください」

 

確かに、「こんな相談に乗ってくれるのは、ネジクルしか知らない」という加藤さんを始めとした多くの職人の声を聞けば、ネジクルがインフラとして果たしうる可能性の大きさに気付かされる。

工事風景

一見すると、ネジというどこで仕入れようと変わることのない商品を扱っているのだが、工事関係の業者にとって無くてはならない仕事上のパートナーとして、確固たる地位を築き始めたネジクル。加藤さんや小宮さんのようなネジクルを使って自分のビジネスを大きく飛躍させた人をこれから先どれだけ増やしていけるのか。その期待は大きい。

「時間を有効活用したいお客様へのサポートを徹底したい」インフラたりえんとする敦賀氏の言葉は力強い。

 

 

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ネジクル

 

こみや電工

こみや電工さんの事例

「一人でやっている電気屋なので、「欲しいものがすぐに見つかり、欲しいと思ったときに注文できる」この点に関しては他では中々真似できない事だと思うので当社にとっては有難いです」(小宮さん)

 

1.ネジクルを利用する前はどこでネジを調達していたのか

地元のネジ屋かホームセンターです。

 

2.ネジクルを利用するに至った経緯(現状の課題)

現場の予定によりネジの調達をしなければならないが、一人で仕事をしているのでネジ屋の納品のペースに合せるのは難しいです。

 

3.ネジクルをどうやって探したのか?

雑誌・検索・知人の紹介です。

 

4.ネジクルを使ってみた印象

検索スピードも良好ですし、履歴が見ることができるので便利です。タブレットを持ってそのまま発注しています。

 

5.現在使い続けている理由

午前中発注すれば翌日の昼には届くので、便利に使っています。

 

6.現状の課題

特にありませんが、ネジ棚の整理等をしていかなければなりません。

 

7.今後の展望

トヨタ自動織機さんからの発注で組み立てをすることもあります。より多くのお客様からお声掛け頂けるようになりたいです。

 

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株式会社ツルガ

〒577-0056 大阪府東大阪市長堂3-2-22あすなろビル9階

TEL 06-6785-5551

http://www.tsurugacorp.co.jp

2014年10月号の記事より
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Šî–{ CMYK

ひところ、財界の方を中心に帝王学とか、欧米にならった真のエリートづくりみたいなことが言われたが、結局「想定したモデルに近づく」域を出なかった。川口さんは、どこかを手本にした100点を求めていなかった。「ありえない」500点、いや「独創の」マイナス500点を求めていたのだ。100点満点の技術に溺れてはいけない―。

100点満点主義って、結局満点以上は出ないんじゃないか

 

へぎ板職人

熟練の職人技は一朝一夕で体得できるものではないが、写真付きのマニュアルを残しておけば、後世のいつの時代か、担い手が出てきた際に役に立つ。文化保護の観点からも意義は大きい。ここはひとつTeachmeの力を借りて、国レベルでこの課題に取り組むべきである。

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