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株式会社接続ドットコム 防犯カメラなどのセキュリティー事業で成功するまでの苦労物語

◆取材:綿抜幹夫 /文:小川心一

 

株式会社接続ドットコム (2)株式会社接続ドットコム 代表取締役 髙﨑浩司氏

つなげるものは何でもつなぐ。人と人とを「接続」して、より大きなビジネスへ!

近年、犯罪件数は減少に転じているが、世の中から犯罪はなくならない。オフィスや店舗の防犯対策費用は、結局消費者に転嫁され、我々は知らず知らずにコスト負担を強いられることになる。だが、必要不可欠な経費だからこそ、安価で高いクオリティが求められているのだ。株式会社接続ドットコムには、その最良のソリューションがあるという……。

 

家族を襲った不幸が決めた人生の方向転換

株式会社接続ドットコム (1)

会社を興して10年を超え、今や多くの『のれん分け企業』と結ばれて発展を続ける株式会社接続ドットコム。主力商品は防犯カメラ等のセキュリティシステムとそれをバックアップする保守サービスだ。

本来、なくなるべき製品、サービスなのだろうが、世の中そうは問屋が卸さない。こういうものが犯罪の抑止力となっているのだろうから、不要になることはないのだろう。

 

髙﨑社長が起業し、この事業に至るには聞くも涙、語るも涙のストーリーがあった。

「大分で生まれ育った私は、中学の時に父の仕事の都合で兵庫に引っ越しました。父は不動産業を、母は美容師をしていましたが、その後両親は離婚。私は父方に引き取られました。そういう家庭環境で、兄や姉とはぐれてしまいましたが、私は陸上競技に打ち込んで、県下でも期待の選手となっていました。高校の頃には全国駅伝などにも出場したんですよ。その実績で多くの大学から誘いを受けて、名門大学の推薦入学も決まっていました。ところが父親が事業に失敗し、巨額の借金を抱え、その取り立てのどさくさに巻き込まれて大怪我を負ってしまった。そんなことがあって大学進学を諦めざるを得なくなりました」

 

陸上選手としての絵に描いたようなエリート街道は無残にも閉ざされた。順調に進学できていれば、あるいは『山の神』などと称される人気選手になれたのかもしれない。

「それでコンピュータ系の専門学校に入学しました。2年学んで資格の一つも取ってというコースでしたが、情報処理検定2級と簿記2級の資格を1年で取得して19歳から働き始めました」

本当なら、父の仕事、不動産業を継ぐつもりで、高校生の頃から宅建の勉強もしていたそうだ。

 

だが、進学断念を契機に目標を不動産業から転換していた。

「関西電力系の光ファイバー接続の仕事に就きました。バリバリ業務をこなし、腕も知識も認められ、23歳の頃には技術指導をするほどになりましてね。次に電気工事やネットの工事を行う会社に移籍して、さらに多くの技術を習得して30歳で独立を果たしました」

 

10年以上の実務経験から得た豊富な技術、電気工事や電話などの弱電工事、オフィスソリューションの中のネットワーク構築や光ファイバーの接続といったものを社業に定めた。〝接続できるものは何でも接続します〟が会社のコンセプトとなった。

「もともと関西電力系の光ファイバー接続を、20年以上前からやらせてもらっていました。その接続する技術を活かして、様々な物を接続するとともに、人と人とを接続する(結びつける)仕事をしているわけです」

事実、仕事の多くを顧客の紹介で行う接続ドットコム。まさに名は体を表している。

 

 

安くて高品質の製品やサービスには理由がある

株式会社接続ドットコム (3)

接続ドットコムが取り扱う商材は、オフィスソリューションにかかわるものが中心だ。

そしてもう一つ、ずっと続いている製品とサービス、それが防犯に関するものである。

「防犯カメラなどの設置を通じて、よりよいアイテムをご提案しています。もちろん安くていいものが基本です」

 

ただ防犯アイテムを売るだけではない。自社営業、自社工事、自社メンテと、提案から維持管理に至るまで接続ドットコム1社で一貫して行っているのだ。

「すべてを一貫して行うことで、顧客ニーズと製品やサービスのギャップが出なくなります。工事が分かっている人間が提案営業することで、できることとできないことがよく分かっているからです」

 

また、製品だけでなく、その後の維持や保守にこそ、接続ドットコムの真価が発揮される。

「この手の商品はリースで導入されることが多いのですが、その料金は我が社から見れば相当高い。その点、我が社のリース料金はリーズナブルです。保守点検の料金は然るべき金額を頂戴しますが、これで機械のあらゆるトラブルに対応します。ですからお客様には不慮の出費が発生しないので、トータルで見た場合、確実に我が社のサービスが安いと評価していただいています」

 

では、何故他社をしのぐいい製品を安く供給できるのだろうか。

「機械は主に韓国製です。日本は防犯カメラの分野で少し立ち遅れている。その点韓国は進化も早いし、機種も豊富で欧米にも実績があり、日本にも販売拠点を持っているので国産同様の安心感はあります。それを日本のユーザー向けにカスタマイズして販売しているわけです」

保守の面でも、安くするには工夫がある。

「インターネット回線を利用して、遠隔操作での保守を行っています。映像のチェックや、録画用ハードディスクの確認などです。事件、事故等で関係機関に画像提出を求められた場合でも、日時や場所等を明示したDVDを我が社のサポートセンターが提供しています。ここまでのサービスを行う同業者はいませんね」

 

しかし、こう言っては何だが、小規模な接続ドットコムにこのような安くて高品質なサービスが可能なのに、他の大手メーカーは対抗策を打ってこないのだろうか。

「国産のブランドには高いブランドバリューがあるので、機能が若干劣っても、値段が高くても、お客様はいわばそれを安心料として甘受する傾向にあります。ですが、国産信仰って言っても、製品の製造自体は海外なんですけどね(笑い)。保守の値段なんかでも、大手メーカーのそれはかなり高い。我々のようなエンジニア集団から見ればぼったくりとも思えてしまう。だから、機械を売って売りっ放しというケースが多いのでしょう。その点、我が社の場合は保守を含めての長いお付き合いをさせていただいているお客様がほとんどです。積み重ねてきた信頼と保守での使い勝手が非常にいいからですよ」

技術者でもある髙﨑社長の自信はゆるぎない。

 

 

今の接続ドットコム、これからの接続ドットコム

今や接続ドットコムは、その製品とサービスが人づてに伝わって、注文は引きも切らない。

「人が集まるところ、例えば異業種交流会のようなところにはよく顔を出しています。やっぱり実際にお会いするところからビジネスチャンスが生まれることが多いものですから。そして我が社をご利用いただいた方が、新しいお客様をご紹介してくださるんです」

 

その顧客は、国内に留まらず、海外からも指名されるようになってきている。

「現在、香港に営業所を置いていますが、これは物流の拠点としてや、新しい商材の集積地として便利だからです。香港で様々な情報や商品をチェックしているのです。今ではアジア各国の企業がお客様ですが、ここでカスタマイズしている製品を納めています」

着実に売上を伸ばし、顧客を増やしている接続ドットコム。だが、その規模感と比べて社員数は決して多くはない。

「我が社では、社員が一定のレベルに育っていくと、本人が望めば子会社として独立させています。『のれん分け』に近い形でしょうかね。そうやってグループ展開することで、将来的には独立した子会社が工事会社、我々親会社が保守会社という分け方をしていきたいと思っています。独立した社員が全国に散らばって、その集合体として大きくなっていきたい。今、全国一律の工事料金を設定できているのも、こうしたグループ会社あったればこそなんです」

 

こういった仕組みや境地に達することができたのも、学生時代に打ち込んだスポーツのおかげだと髙﨑社長は言う。

「学生の時分に陸上や水泳などをやってきましたが、それらは原則個人競技でした。しかし、陸上の中には駅伝という団体競技がある。私は全国レベルの駅伝大会に参加したことがありますが、いくら自分のタイムが良くても、それが必ずしもチームの成績に直結しないことを経験しました。会社経営もこの駅伝のようなもので、私がいくら一人で突っ走っても、いいタイミングで次の走者にたすきを渡さないと会社というチームの成績は上がっていかない。あるいは適材を適所に配置しなければ、全体の成績はよくならない。会社設立10年を経て、やっと社員一人ひとりがいい配置で自分の力を出し切ってくれるようになってきた。何も私以上の能力を期待しなくても、その人のいいところを伸ばしていけば十二分に会社に貢献してくれるんです。今ではみんなが、この接続ドットコムこそが自分の会社だと思ってくれて、会社のために尽くしてくれています」

強い商品力、安心のサービス体制、そして社員の大きなモチベーション。これならばこの先の会社発展は間違いない。では、目指す地平はどこなのだろう。

「お客様にとって必要な、オフィスソリューションやセキュリティを一手に引き受けるワンストップサービスを目指していきたいですね。それがお客様にとって最も便利なことでしょうし。もう少し手近で具体的な部分で言えば、例えば防犯カメラの映像。これは何も防犯のためだけに利用するのではなく、〝見える化〟管理の時代として、その画像から働いているスタッフの動き、店内の清掃状態や商品の売れ行きなどを確認していただくことも考えたいですね」

 

顧客の様々なお悩みを、一手に解決できるオフィスソリューション企業としての歩みは始まったばかり。次の10年で、果たしてどこまで『接続の輪』が広がっていくのだろう……。

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プロフィール

髙﨑浩司(たかさき・こうじ)氏…昭和48年大分県生まれ。父の事業失敗から大学進学を断念し、専門学校で資格を取得。光ファイバー接続や電気工事の仕事を経験後、30歳で独立起業。平成15年接続ドットコム設立。

株式会社 接続ドットコム

【本社】〒531-0041 大阪府大阪市北区天神橋8-9-17

TEL 06-4801-3333

【東京支店】〒104-0032 東京都中央区八丁堀4-9-6 塩部ビル2F

TEL 03-3553-7733

http://www.setsuzoku.com

2014年4月号の記事より
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