オビ 企業物語1 (2)

企画 提案 編集 印刷まで行う神保町の印刷屋株式会社アイト。2代目女社長の物語

◆文:田村康子

オビ ヒューマンドキュメント

株式会社アイト株式会社アイト/代表取締役 谷口美保

父親が1972年に創業した印刷会社。谷口美保さんはその会社を継いで6年目になる。継いだばかりの頃は、いかに工場の稼働率を上げるかで勝負していた。その頃既に印刷会社にとっては受難の時代。かつて印刷会社に依頼していたものもパソコンひとつで誰もが作れるようになっていた。印刷会社としてどこかに付加価値を付けなれば、生き残りは難しかった。

 

そこで印刷を受注するだけでなく、企画から提案できるような体制を整えていくことにした。前職が旅行関係の出版会社勤務だった谷口さんは、当時の繋がりを活かしてタウン情報を提供する会社やマップ制作会社と連携。営業同行や代行も行い、企画の提案や編集、果ては印刷までと一気通貫に請け負うことで業務領域を増やしていった。そうすることで、「高額の設備投資に頼らない地に足のついた業務を根付かせることができた」(谷口氏、以下同)と語る。

 

「業界では低価格化・短納期化の要求が激しくて、数百万数千万円という設備を整えて営業が仕事をとってきてもコストが合わないという話をよく聞きます。アイトは設備は最小限だけど、動きが軽やかで小回りがきく、そういうところを強みにしています」

中小の印刷会社にとって、人と人とのつながりは非常に重要だ。谷口さんも常に新しい出会いを求めて、異業種交流会に参加するなど、自分自身をリフレッシュしているとのこと。交流会は、色々なタイプの人と触れ合える機会。職人気質の町工場の社長さんなど、技術力はあっても人付き合いやアピールが苦手という人も多いそうだ。

 

「私が参加する交流会は、そんな社長さんたちの味方ですよ(笑い)。パンフレットをつくりたくても原稿が書けない、自慢の技術に関して、うまく表現できないといった場合、相談に乗ることから始めて、ご希望のものを作ります」

 

出展料が高額なイベントにブースを出していても、「これでは伝わらない、残念だな」と感じる印刷物に出会うことは多い。思い当たる経営者は企画から印刷まで谷口さんに相談してみてはいかがだろうか。

 

オビ ヒューマンドキュメント

谷口美保(たにぐち・みほ)氏…1969年埼玉県生まれ。東洋大学社会学部卒業後、出版社に就職。その後、実家の印刷業㈱アイトを引き継ぎ、代表取締役として現在に至る。

株式会社アイト/〒101-0051 東京都千代田区神田神保町1-12 太陽堂ビル

TEL 03-3294-3344

info@kk-aito.co.jp

http://www.kk-aito.co.jp/company/index.shtml

※この記事は2013年10月号に掲載された記事を一部再構成したものです。