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コラム米澤弁護士に学ぶ ~経営お役立ちコラム~

弁護士だからわかる! 予め契約書作成する大切さ

◆文:米澤 章吾 (米澤総合法律事務所)

米澤章吾 弁護士 (2)

弁護士の米澤章吾と申します。

これから、コラムを書くにあたって、まずは自己紹介から始めたいと思います。写真の通り、私の肌の白さは、業界でも随一を誇ります。そのため人呼んで〝美白〟弁護士。こう呼ばれています(ウソです)。この肌の白さですが、何事に於いても「過ぎたるは猶及ばざるが如し」、これまで多くのトラブルを生んできました。私は夕方が嫌いです。肌の白さゆえに、生えてきた髭の濃さが悪目立して、青白く見えるからです。それ故、この時間帯に多くの恋の涙を流してきました。

そんなことがあってか、私の趣味は、失恋ソングを熱唱することだったりします。ただこれは、弁護士の仕事上、多くの男女間のトラブルを目にして、自然と失恋ソングに共感できるようになってしまったことも、関係しているような気がします。

この男女間のトラブルですが、その最たるものが、夫婦間のトラブルです。なぜこれだけ多くのトラブルが起きているのか、多くのケースを見てきたことで、弁護士として、こうしておけば防ぐことができたのにと思うことがあります。

 

それは、はじめの段階で「契約」や「契約書」を交わしておくことです。そしてこれは、夫婦間のトラブルだけの話ではありません。ビジネスに於いても、いやビジネスだからこそ、当てはまることなのです。このはじめの段階で契約を交わすことの大切さを、これからお話ししていきます(そろそろ本題に入らないと、紙幅も尽きてしまいますしね)。

米澤章吾 弁護士 (1)

今一度考えてみてください。御社が仕事を受発注するとき、小さなビジネスでも、きちんと約束事を書面にしているかを。もし、相手の機嫌を損ねたくない、あるいは面倒くさいという理由で口約束のビジネスを行っている方がいたら、弁護士として警鐘を鳴らしておきます。確かに殆どの契約は、書面がなくても、つまり口約束でも契約は成立します。だからといって、小さなビジネスだから書面を介さないでもいいという考えでは、将来的にトラブルを惹起する可能性が高いです。
そもそも契約書は何のために作るかを今一度考えてください。一言でいえば、「無用な紛争を生じさせない」ためです。契約書とは、いわばお互いがその契約の内容について「合意した」ことを「証明する」ための書類です。

 

たとえば、契約の内容どおりに売掛金が支払われなかったり、契約どおりの期限に納品されなかった場合を考えてください。この場合、約束違反をされた方は、約束違反をした方に対し、きちんと約束を守るように要求したり、あるいは約束違反によって生じた損害を賠償させたり、はたまた契約そのものを一方的に終了させたりすることが、本来できるはずなのですが、契約書がなければ「言った、言わない」の問題になってしまう危険を孕んでいます。

 

そして、「そんな約束はしていないから、約束違反ではない」と言われたときに、口約束ではそれ以上どうしようもできないのです。私も多くの裁判で、契約書を交わしてなかったために、法廷上で臍を噛むしかない経営者を見てきました。それはもう恋に破れた私の悲涙の比ではない悔し涙を流すのですが、こと、この段階に至っては、弁護士とてハンカチを差し出すぐらいしかできることはありません。

 

ですから、取引の際には、必ず支払日や物品の引渡日等を明確にした契約書を作成してください。どんなに小さなビジネスでも、です。当初、小さなビジネスの予定が、思わぬ形で大きな広がりを見せることはままありますし、途中から契約書を交わすというのは、なかなか神経を使います。

 

これまで、なあなあの関係だった取引先にも、これからは社の方針で契約書を交わすことになったと明言してください。

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そのときはお任せください。24時間以内に法律相談に回答する〝美白〟弁護士、もとい、光の速さで回答する〝光速〟弁護士である、私め米澤にご連絡ください。〝いざという時のために〟効力の強い、弁護士流の契約書を作成致しますし、そのための極意も雑談を交え伝授致します。

男女間のトラブルを多く見ていても、私自身は結婚願望があり、いつかまだ見ぬパートナーに「世界中を敵にまわしても君を弁護する」と言ってみたい今日このごろの〝光速弁護士〟米澤です……。

 

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契約書の項目の中でも、重要な条項の一つである「期限の利益喪失約款」についてお話いたします。特に分割払いを規定する際には必須の条項です。これから、AとBという二人の人物が出てきます。その二人の間の愛憎を想像しながらご高覧いただければと思います。

米澤総合法律事務所 米澤章吾 弁護士 『知っていますか?「期限の利益喪失約款」』 ~経営お役立ちコラム②~

 

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米澤章吾氏(よねざわ・しょうご)…1979年東京都大田区生まれ横浜育ちのシティボーイ。早稲田大学卒業後、社会人生活の中で、会社を元気にすることこそが、ひいては従業員を、そして社会、国を元気にしていくのだという精神を培い、弁護士となり現在に至る。too shy shy boy。

 

米澤総合法律事務所

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2013年8月号の記事より
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