エイト証券・WEBサイトより

投資や資産運用アドバイスをしてくれるロボットアドバイザー(ロボアド)は国内でも多数のサービスが誕生しています。今回紹介するエイト証券も「クロエ」という投資一任型のロボアドを提供しています。

クロエという名前は「Computer Humanly Linked and Optimized for Empathy」の略。「人と共感できる心を持ったコンピューター」を目指しているようです。

そもそもロボアドには大きく分けて2種類あります。「投資一任型」は運用提案から購入、リバランスまですべてお任せできる自動タイプ。「投資助言型」は運用提案のみで購入やリバランスは自分でしなければいけません。その分、一任型のほうが手数料は少し高くなるようです。

「クロエ」は東証上場のETF(上場投資信託)をポートフォリオに組み入れることで、世界50カ国、37セクター、4000以上もの広範囲な株式や債券、コモデティ、短期金融商品、REITなどに分散投資します。

利用者は簡単な質問に答え、リストから投資目標(初期投資額、毎月の投資額、目標達成予定月など)とポートフォリオタイプ(積極型、安定型、保守型)を設定するだけ。あとは「クロエ」が目標に沿った投資スタンスを判断し、ポートフォリオを組んでくれます。1万円から投資を始められるほか、投資顧問料は預かり資産の評価額の0・88%。あらゆるプロセスがアプリ(iOSとAndroid)でできます。

実際のパフォーマンスはどうかというと、2017年10月からの1年間で、保守型ではマイナスですが、積極型は+2・72%、安定型は+0・51%となかなか好調です。

エイト証券はクロエの他に、米国ETFラップサービス「8 Now!」を提供しています。こちらも同じく投資一任型のロボアドですが、投資スタイルは保守型、保守成長型、普通型、積極型、積極拡大型ともう少し幅広く、88米ドルから投資できます。

エイト証券については、野村アセットマネジメント株式会社(AM)が2018年4月、16億円で買収したことでも世間の関心を呼びました。現在は野村AMが株式の8割弱、香港の持ち株会社エイト・リミテッドが残りを保有しています。

野村AMが高く評価したのは「システム開発力」と「若年層・資産形成層へのアピール力」とみられます。新たに資産形成層を開拓したい野村AMにとっては、「クロエ」のような若い層にアピールできるサービスが魅力的なのでしょう。

野村AMはエイト証券を通じ、今秋から資産形成層向けのインデックスファンド「Funds-i(ファンズアイ)」の取扱いを始める予定で、アプリ開発などを共同で進める意向を示しています。

野村という巨大な後ろ盾を得たエイト証券。「誰もが世界トップクラスの投資へアクセスできる」理想の実現に向けてサービスを磨き上げて行くことでしょう。

筆者プロフィール/一村 明博
東京都出身。成蹊大学法学部卒業。1993年、大和証券入社。富裕層や中小企業オーナーを主な顧客とする個人営業に従事し、常に全国トップクラスの営業成績を残す。入社3年目には全国NO.1を獲得。

その後、2001年に松井証券入社。2004年、最年少(当時)で同社営業推進部長、そして2006年には同社取締役に就任。高度かつ専門的な知識が必要とされる金融業界において20年以上にわたり500人以上の部下を育てた人材育成のプロフェッショナル。

株式会社ZUU (英語名 ZUU Co.,Ltd.)
〒153-0042東京都目黒区青葉台3-6-28 住友不動産青葉台タワー9F
従業員数:66名 (パート・アルバイト・インターン・海外支社社員含む、2017年12月時点)

https://zuu.co.jp/