日本アーバネットシステム株式会社代表取締役 斉藤泉

日本大学文理学部卒、大手ゼネコン勤務を経て、日本アーバネットシステム株式会社を設立、代表取締役に就任。「安らぎの場を、金融商品として住まいに関する夢の実現をトータルサポート」を旗印に、不動産関連事業に従事、センチュリー21・ジャパン東京地域副会長等を歴任、還暦を機会に、日本語教師になるべく拓殖大学日本語教育研究所に入学。ベトナムラジオ放送局EMICOグループの日本語学校に就職し、2019年11月にベトナムに移住。

ベトナム人生活は100円ショップ

基本的にベトナム人の生活習慣で分かったことは何でも一つの行動は基本単価一回100円1ドル=2万ドンが基準です。私の勤務する日本語学校はハノイからバイクで30分このあたりはランチも都心と比べますと学生街価格になるのか?安くて2万ドンから少し安いのかもしれません、その上が2万5000ドン、3万ドンとなります、大盛りとかおかずの量です、コーヒーも基本2万ドンですが、きれいなお店は2万5000ドンになります、例えば、ハノイの都心部に沢山あるスターバックスは8万ドン、現地コーヒーチェーン・ハイランドコーヒーやはり6万ドンです。オートバイの洗車は2.5万ドン、都心で3万ドンか。

地方では5000ドンからスタートします、1万ドン2万ドンこのあたりが相場か、これは学生から聞いた話ですがやはりコーヒー豆を作っています、中部地方は安いみたいです。

学生たちは寮生ですので両親が一生懸命に仕送りをしています。

学校と寮が一体となっております基本6ヶ月間1日中勉強できる環境にあります。

 

 

生活面では、ズボンの丈つめこれも2万ドンでした。道路に面して家の玄関があり、ミシンが1台有る感じの店。昔、私の生まれ育った東京高円寺の古き佇まいのようです。多分ほとんどが内職でしょう。本当に昭和40年かな、そんな感じです。昭和40年頃からトイレが都心から水洗トイレになりましたから日本で言えばその頃の街の雰囲気ですね。釜や鍋は練炭を使う家庭もありましたしプロパンもありました。私の記憶の思い出とここベトナムの生活を比較してみましょう。

 

生活価格は、私が教えているセンターに、いろんな処から参加してくる実習生から聞くことができますし、現地の文化や風土何時も言葉の勉強と共に互いに勉強しております。

 

ベトナム人は村社会という単位で生活しているように思います。徐々にですがスマホ(インターネット)関係で大分情報は行き来されるようになり時代の変化が起きて這いますが農村と都会でまだまだ生活の価格が違う文化があります。やはり交通網が無いため情報の共有が極端にないのである。

 

先ほど書きましたが、私も大好きなベトナムコーヒーですが、コーヒー豆を生産しているのは中部です。ですから北部で1杯2万ドンですが中部では1杯1万ドンでコーヒーが地元のコーヒーショップで飲めます、生産者村の価格は5000ドンになります、日本円では25円です。地元で25円、ハノイで400円、生産地の18倍です。これは儲かります。ハイランドコーヒーが沢山あり日本にも進出するそうですが、私の感覚では日本でも成功しそうですし、できますし、ビジネスとして成り立ちます。

 

もっと現実的なのが賃金です、ベトナムで月給は2万円、日本に行けば20万円です。本人の手取りは6万円か8万円か分りませんが、日本とベトナムで価格に格差がある商売は成立します。

 

同じように共産党国は中国を始め土地は使用権ですので、不動産業は成立します。家を作り、人に買わせローンを組めば良いのですから銀行業は成立します、お金は銀行に集まり、増えて行きます。信用創造ですから、だから権力者はお金持ちになります。世界中同じ仕組みです、もちろんベトナムも同じです。だから家をハノイやホーチミンの中心部に待っていた人はお金持ちになります。日本と同じです。

 

価格の決め方はこんな感じで決めますので、この格差がある限りは日本企業がベトナムに進出すれば、商売は成立します。日本は成熟しきってしまい、だんだん価格がオープンになりまして儲からなくなりました。やはりインターネットが世界を変えていることを実感します。日本でパソコンと言えば、昔はアップルIIとかNEC98とかありました。懐かしいですね、もう30年過ぎるのですね。私も年を取ります、このように初めてベトナムを知る人も居るでしょうし、又興味を持たれる人も居るでしょう、私の文で理解をしてくださいとは言いませんが昭和に生まれた方は理解されると思います。今のベトナムの市民生活は、30~40年前の日本のそれを想像すると良いかも知れません。

 

要するに価格でも分るようにドイモイ政策とは中国の行った改革同じです。儲けられる人から儲けなさい。同じです、今も価格も払える人から払いなさい、そうなんです。下の表は私が実際にベトナムに来て買ったものの値段の表です。

 

スーツ 200万ドン 10000円 ハノイのイオンで買った
ゴルフプレイ代 200万ドン 10000円 高いところは20000円
新しい3D映画館 25万ドン 1250円  
空器清浄器 400万ドン 20000円 シャープ(タイ)製
ダイニングテーブル  120万ドン 6000円 組み立て式、中国製
勉強椅子 99万ドン 約5000円 中国製
三段チェスト 35万ドン   約1600円 中国製
ユニクロ製品 日本と同じ  
H&M 日本と同じ  
フィットネスクラブ年会費 年会費8万円から10万円 日本より価格は高い(スパ、風呂、プールが無い)

 

物の価格でこの3年で1番下がったのは、私の知り得た限りだと自動車の価格です。3年前に一番安かったのは、現代キアの1000CCが300万円でした。今、キャンペーン期間VIN自動車は165万円で買えます。来年は200万円に値上がりするそうです。現代キア200万円、トヨタビッツ・スズキSWIFT250万円クラス、その上は沢山有りますがマセラッテイ・ポルシェはどうですかね、ベンツは売れてます。ベトナムの金持ちはベンツが好きです。商品は価格を見ればこんな感じですが、地方の生活圏とのギャップがありすぎです。所得の再分配ができないと二重構造は確定してしまいますが、多分、共産党はしないでそのままでしょう。要は、日本人でも10万円あれば、一月生活が出来ます。

 

もしビザが取れて、ベトナムに中古マンションが買えるならば、日本の年金生活者の方でも、それほど不自由なく暮らすことができるかも知れません、能性はあります、私も日本で長いこと不動産業を営んできましたから、経験で分ります。

 

ベトナム人は親日家と言いますがそこまではどうか?でしょうか。ベトナム人の対日感情は一般には悪くは無いと思います。反日国家は中国と韓国ですが、私が知っているベトナム人は、日本と同じように中国と韓国を扱います。ですからベトナム人の対日感情の良し悪しは実は分かりません。ベトナムの生活も皆さんどうぞ、面白いです。

 

食文化ですが、日本のインターネットの掲示板に、「ベトナム人が犬を食べた」と書いてありました。ベトナム人は絶対言いませんが、みんな食べます。食べないという人は、今は食べなくなった、10年前は食べてました、というのが正しいのではないかと思います。ベトナム人は肉は大好きです。何でも食べます私も授業中によく生徒に「貴方たちは一番美味しいのは何ですか?」と聞きます。肉という答えが圧倒的に多いです。「特になんですか?」と聞けば鳥と豚が一番多いです、それから牛。魚はあまり食べないみたいで、野菜は甘いと言います。にんじん、白菜は好きみたいです。何でも塩を付けて食べる人たちです。私の教え子たちは、そろって歯は丈夫です。歯は凄いです真っ白で奇麗に並んでいます。虫歯がある人はクラスで一人居れば良い方です。

 

ある日生徒に質問しました。「蛇、猫、犬、鼠、蛙、どれが一番美味しいですか?」と。多くの生徒は犬と答えますが、中には鼠と答える人もいます。よく話を聞くと養殖した鼠が売られているらしいです、それが一番うまい。私も昔、台湾で蛙は食べました。こちらベトナムでは美味しくないと言ってますね。日本では犬は食べるなとよく言わないといけない。文化が違うと大変です。

 

上で「ドイモイ」のことが出てきましたので、具体的な生活のことを離れて、良く知られていることですが、ベトナムの全体的なことについて書いておきたいと思います。

 

2019年の年末の時点で巷では、ベトナム経済は順調に成長していると言われています。

実質GDP成長率は、リーマン・ショックや不動産バブル崩壊などで一時的に落ち込んだ年もあったものの、2000~18年の間に年平均+6.6%で成長しました。高度成長期のマレーシアで1980年代に+5.8%、1990年代に+7.3%ですし、タイでは1980年代が+7.3%、1990年代に+5.4%ですから、これらと比較しても遜色ない数字です。さらに、人口動態面からみてもベトナムの総人口は2018年で9500万人いますが、2060年頃まで増加を続ける見込みです。

 

ベトナムの急成長のきっかけは、1986年にベトナム政府が行った「ドイモイ」と呼ばれる政治・経済改革です。改革路線を進めようにも国内経済は、それ以前の計画経済の失敗で疲弊し切っていたため、政府は対外開放と輸出をテコとする戦略を採るほかなく、外交関係の正常化やインフラ開発など、外資導入と輸出振興を目的とした投資環境整備を進めたのでした。このようなベトナムの事情に加え、1980年代後半は、例えば日本企業は円高によって国際的な競争力が低下して労働コストの低い東南アジアに生産拠点の移転を進めた時期でもあり、ベトナムは国際的には製造業界でグローバル・サプライチェーンに組み込まれたこともベトナムの経済成長の原因でした。

 

実際には、このような輸出依存型の経済成長モデルは限界に来ているという説があります。製造業でグローバル・サプライチェーンに組み込まれるための条件の一つは低賃金の労働力の存在ですが、ベトナムの就労者における専門技術を持たない層の割合が8割もあり、低賃金労働者に依存した経済成長モデルには限界があります。今、ベトナムでは、労働者における大学卒業者の割合は10%ほどで、今後は労働生産性の向上が必要だと思います。ベトナム国内の労働環境ですと、ベトナムでは韓国のサムソンが大変に「感謝」されています。ベトナムの電子機器・同部品輸出は、中国などにおけるスマートフォンの急速な普及も追い風となって2011年以降急増し、これに連動してベトナムの輸出比率が急増し、輸出依存型の経済成長モデルが確固たるものになったという経緯があります。しかし、第2のサムソンが現れないということです。

そこで、ベトナムは今、モノではなく人材の輸出に力を入れているということでしょう。労働力輸出に関してはまた、1998 年にベトナム共産党政治局の41 号指示という文書が出されており、労働力輸出の促進が重要な国策のひとつであることを示しています。同指示によれば、「労働者・専門家の輸出は、人材育成、雇用創出、労働者の収入・技能の向上、国家のための外貨獲得、およびわが国と諸外国の協力関係の促進に貢献する経済社会活動である」とされています。労働力輸出は依然として重要性の高い長期的な戦略であると位置づけているということです。下の図を見ると、ベトナムの労働力の輸出先として日本が急激に増大しているのが分かります。

Consular Department, Ministry of Foreign Affairs (Vietnam). 2017. Viet Nam Migration Profile 2016. Hanoi: International Organization for Migration (IOM)

 

上の説明がほぼ、一般的な説明でしょう。しかし、下の数字を見ると、ベトナムに関する見方が変わるかも知れません。

 

ベトナムのGDP 約25兆円
海外からのベトナムへの投資 約3.6兆円(2017年)

内訳:

製造・加工業:約1.6兆円

電力関係:0.9兆円

不動産:0.3兆円

 

非常に大雑把に言えば、労働賃金は日本の1/5、不動産価格は日本の1/2です。不動産バブルです。不動産価格だけが先に上がって、富裕層の資産は増大しました、しかしバブル崩壊が見えています。その中で、ベトナム共産党は、人材輸出を推進しましたが政策ミスでしょう。不動産バブルの穴埋めにはなりません。今、ベトナム共産党指導部が一番に気にしているのはドンの暴落のはずです。ではそれを防ぐには、どうしたら良いのでしょうか。不動産の次は証券です。ベトナムの隣の中国では、不動産バブルの次は、店頭公開市場を上海、深圳などに作り、證券バブルを作りだしました。中国と同様に、株式の上場の機会を沢山用意し、企業をどんどんど上場させる、それをする以外に、不動産バブルを崩壊させずにベトナムドンの暴落を防ぐ方策はないようにも思いますが、どうでしょうか?