企業記事

株式会社FID – 販売後のアフターフォローの 手間や時間を劇的に短縮 Webマーケティング業界に 旋風を起こす 「MOTENASU」システムとは?

2017.11.25

美容師からIT業界へ転身「世界を変えることがしたい」

株式会社FID 代表取締役 和田聖翔氏

今やどんな中小企業にとっても、無視できない要素となったWebマーケティング。   しかし、「思うように集客ができない」「成約につながらない」など、効率的なマーケティングができない企業も多いのではないだろうか。   そんな悩みを解消するべく生まれたのが、株式会社FIDが2017年4月にリリースした、集客から顧客管理、リピーター作りまでを一括してサポートするサービス・マーケティングオートメーションシステム「MOTENASU」だ。 システムの特徴とその誕生の背景を、若き代表取締役社長・和田聖翔氏に伺った。  

Web集客のプロフェッショナル集団

1990年代以降、インターネットの普及によりモノを売る手段は大幅に変化した。今や企業にとって、自社サイトでの直販や各種Webショップでの商品販売は実店舗に負けずおとらず重要なもの。 ホームページの管理から顧客管理のシステム構築、ビッグデータの活用など、たとえどんな業種・業態の企業でも、Webマーケティングとは無縁でいられなくなっている。   株式会社FIDは、そんな企業になくてはならない、Web集客サービスを提供する会社だ。 同社の主力商品は、まず創業の1年後、2012年に開発・提供を開始したメール配信エンジン(MTA)。ついで2013年にリリースした、ECショップ(自社の商品やサービスを販売する独自運営のウェブサイト)の構築・運営に必要な機能に、顧客へのアフターフォローなどの機能も備えたASP(アプリケーションのソフトの機能をネットワーク経由で顧客に提供するサービス)ツール「侍カート」で、契約数は約4年間で360社を突破している。   そして2017年4月、これら2つの運営・開発経験を活かしたCRM(顧客関係管理)によるマーケティングオートメーションシステム「MOTENASU」が登場した。  

きめ細やかな「おもてなし」を自動化で実現

「MOTENASU」が一般の顧客管理やウェブマーケティングサービスと違うのは、販売促進と顧客へのアフターフォローを自動化し、手間や時間を大幅に短縮したことだ。   マーケティングには、商品やサービスの情報を顧客に伝え興味を持ってもらう「集客」、潜在顧客や見込み顧客に呼びかける「販売促進」、一顧客からファンになってもらうための「アフターフォロー」の3つの段階があり、それぞれに合わせた戦略が必要となる。   例えば、顧客にリピーターになってもらうには、1人ひとりにとって適切な方法・タイミングで情報を届けたり、アンケートなどを通してその意見を聞いたりときめ細かなフォローが必要だし、見込み客にダイレクトメールを送るにも、顧客リストの全員に一斉配信するより、趣味や好み、年齢、性別などで狙いを絞って、それぞれの層に合ったものを送った方が反響は大きいだろう。 しかし、このような個別対応は膨大な時間とコストがかかるため実行が難しく、またせっかく時間を割いて1対1の対応をしても、密なコミュニケーションが取れないことも少なくない。 この問題を解決するべく開発された「MOTENASU」は、ユーザーがアドバイザーを作成・設定することで、「どんな顧客に」「どんな情報を」「どう伝えるか」を自動化。条件に当てはまる顧客にだけ、よりカスタマイズされた情報を、適切な手段で伝えられるというものだ。   その一番のメリットは、マーケティングにかかる時間を大幅に短縮でき、その分ほかの重要な問題に集中できること。アナログ派の感覚としては、自動化というとどこか冷たい響きがするが、和田氏は1対1で伝えることの大切さとデジタル化の重要性は矛盾しないと言う。   「ツールとして便利になったとしても、モノを売るのも買うのも人間ですから、本当は手を握って1対1で話すような機会というのは絶対に大切です。ただ毎回それはできないので、手間やコストの部分をいかにデジタルで簡略化しつつ、質を高めていくかが大事。〝MOTENASU〟はそのためのツール」だからだ。 ちなみに「MOTENASU」という名前は、ユーザー1人ひとりに選任のアドバイザーがついているような細やかな「おもてなし」が可能、ということから付けられたもの。ECショップ専門の「侍カート」と違い、全業種で使えることも「MOTENASU」の強みの一つといえるだろう。  

美容師からITの道へ

Webマーケティングや広告代理店、ソフトウェア開発を手がけるIT関連企業はたくさんあるが、同社のようにソフトウェアの開発とマーケティングの両方を手がける企業は多くはない。   また、ソフトウェアの開発を手がける企業でも、外注を使うのが一般的で、自社のエンジニアだけで行う同社のような企業は稀だ。 Web集客のプロ集団である同社が「自社でのシステム開発」にこだわり続けるのは、代表・和田氏が歩んできた道と深い関わりがあるという。 実家が美容室だった和田氏は、高校卒業と前後して美容学校に進学。美容室を継いでほしいという母親の思いを受けて、卒業後は美容師として働きはじめ、将来は家を継ぐはずだった。   しかし「美容師の仕事は1対1。僕1が1人のお客さんを喜ばせて、1日どんなに頑張っても20人が限界で、世界を変えることはできないなと思ったんです。髪を切るのは嫌いじゃないけれど、僕としてはもっと大きな、あっと驚くこと、世界を変えることをしてみたいんだと気がついたんです」との思いから、美容師以外の道を模索し始める。   だが「では自分に何ができるのか?」となると、20歳前後の身には思いつくことは何もない。そんな中、偶然の出会いが運んできたのがITという新しい可能性だった。 「当時はITバブルの終わりの方で、先輩たちが東京に出てITで成功し始めているという話は聞いていて。まだスマホも出ていない時代ですが、ITはこれからまだまだ伸びるという確信はありました。またその頃、趣味のDJを通じてたまたま超有名アイドルグループの照明をやっている方と仲良くなりました。 一緒に遊んだりするようになって、そのアイドルグループの創業者とも出会い、社長の御付として修業をさせていただくことになったのです」創業者との出会いは衝撃的だったと和田氏は語る。   「稼ぎが25万円だった私の月収の10倍をも超える自宅に居住し、車は高級車のフェラーリを所有、世界最高峰のスーパーブランドに包まれた生活環境、選択するものは全て日本一か世界一を望む。そんな社長と出会ったことで、私の考え方が変わり、そして人生も変わっていきました。いい加減な性格で、人生をいい加減に過ごしていた私にとっては、まさに脳天をぶっ叩かれたような衝撃で、次第に数より質を好み、日本一、世界一を気にし始めるようになっていったのです」 また、アイドルグループ創業者の御付として活動中に、ネット事業部のことについても知ることとなる。   すでにルールや各社のシェアが固定化されている既存のビジネスとは違う魅力を感じた和田氏は、両親とも話し合って家を継ぐのをやめ、違う業種を知るために様々なアルバイトを経験。そして、視野を広げた後、23歳で共同代表者と共に、ついにWeb広告事業を中心とする会社を起業するに至った。  

ソフトウェアも自分たちの手で

なぜIT業界だったのか。その問いに和田氏は「正直に言えば、そんなに裕福な家庭じゃなかったので、まずはお金を稼ぎたい、東京の一等地に住みたいというのが原動力でした。だから自分が活躍できる場所を探したんですね。それがITだったんです」という。   だが、次の転機は意外と早くやって来た。広告は少人数ででき、リスクは小さく稼ぎもいい。しかし5年後、10年後には直接取引が主流となり、仲介である広告代理店はなくなっていくのではないか。そう感じ、広告業を続けるべきか否かという大問題に直面したのだ。 悩んだ末に和田氏が出した結論は、広告会社は共同代表に任せ、新しい会社「株式会社FID」を立ち上げることだった。   「広告業に携わる中で、例えば登録フォームや登録の流れなどシステム自体が使いづらく、変えた方がいいという場面がたくさんあったのですが、ソフトウェアに合わせてくれといわれるばかりでした。だったらソフトウェアを作る会社を作って、自分で仕組みを変えていきたいと思ったんです」と思った中での決断だった。   Webマーケティングに欠かせない「仕組み」であるソフトウェア開発から自社で手がけ、サイト構築から販売促進、アフターケアまでWeb集客のすべてをこなす同社のスタイルは、和田氏の選択の結果であり、その誕生の瞬間から始まっていたのだ。  

「日本一」というヒットを打ち続けていたい

「最初の頃に比べたら、お金を稼ぎたいという思いは小さくなりました。代わりに、自分たちが作るモノに対しての反響を得たい、認められたい、社会に貢献したいという気持ちが大きくなってきて、今そういうところを楽しく感じています」という和田氏。   今の目標は、今後の10年でデジタル・マーケティングの分野で日本一になることだ。そのために必要なのは、顧客企業の広告から集客、顧客データの活用、アフターフォロー……とすべてをうまくつなげることで、「ファンになった顧客から新たな顧客を紹介してもらえる状況」を作り出し、同社自身も「営業のいらない会社」になること。だがそこが終点ではない。 「デジタルマーケティングでまず日本一になったら、そこを柱に実績を出し、知名度を上げて、違う分野でも日本一になる。〝日本一〟というヒットを打ち続けていたいんです。そのためには自分が成長し続け、実行力も言葉も夢に見合うものでないと、誰もついてきてくれません。だから、この火を消さないようにやっていくだけですね」 現在同社の社員は45人。だが10年後、20年後、その炎に魅かれて集まる人材は、何倍にも増えていることだろう。   【プロフィール】 和田聖翔(わだ・せいしょう)氏…1984年生まれ。富山県出身。高校在学中から美容専門学校へ通い、卒業後一度は美容師となる。後に転身を決意し、不動産業、芸能事務所など他業種の経験を経てIT業界へ。2009年に共同代表者と共に起業し、Webの集客・広告を手がける。2011年に株式会社FIDを設立し、代表取締役社長に就任。現在に至る。 株式会社FID 〒160-0023 東京都新宿区西新宿3-2-27 オーチュー第7ビル 3F・5F TEL 03-6911-3800 https://f-i-d.jp/ 従業員数:40名
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