◆文:一村明博

ビットコイン以外にも多数ある「仮想通貨」の取引所

 

「仮想通貨」「ビットコイン」という単語を耳にすることが多くなりました。2017年は「仮想通貨元年」ともいわれ、特にビットコインなどは高騰しました。「暗号通貨」とも呼ばれる仮想通貨は現在、世界中に600種類以上あるといわれ、新たな投資対象として投資家の注目を集めています。

 

仮想通貨とはインターネット上で使える通貨で、専門の取引所を通して通常のお金(円、ドル、ユーロなど)に交換したり、購入したりできます。最近では仮想通貨を使って、商品やサービスを購入できるお店やウェブサイトも増えてきました。

 

仮想通貨が通常のお金と最も大きく異なる点は、中央銀行や公的な管理組織が介入していないこと。安全性を確立するためにいろいろな工夫がされています。

ビットコインでは、「ブロックチェーン」という分散型台帳技術を活用し、取引の全プロセスを記録します。ブロックチェーンに記録されたデータは、取引の参加者から複数の承認を受けるため、改ざんできない仕組みになっています。

 

市場に流通している仮想通貨の多くがこうした最新の技術を活用したもので、通常の金融システムを大きく揺るがし始めています。しかし仮想通貨になじみのない人からは、「銀行や実際の店舗で利用できない」「どこで手に入るのか分からない」といった不満・不安の声も多数上がっています。

 

今回ご紹介するコインベースは、そんな声を打ち消すべく、仮想通貨を安全に売買、管理できるサービスを、一般消費者や事業主に提供しています。「仮想通貨のための銀行」と考えると分かりやすいでしょう。通常の通貨の代わりに、デジタル通貨を取り扱っているわけです。

 

コインベースは「オープンな国際金融システムを構築する」というコンセプトのもと、2012年米国サンフランシスコで設立され、今では世界32カ国・地域で1000万人以上の人々に利用されています。

現在までの仮想通貨の取引総額が500億ドルを超える、世界最大規模の仮想通貨取引所です。

 

コインベースのウェブサイトを通して、世界中どこからでも、誰でもオンラインで口座を開設でき、銀行口座情報を登録するだけですぐに取引が可能です。登録が完了すると自分専用の「デジタルウォレット」が作成され、このウォレットを利用して仮想通貨を管理します。このデジタルウォレットは、通常の銀行の個人口座のような役割を果たします。

 

具体的には売買や個人間の送金はもちろん、取扱い店ではショッピングもできます。個人間の送金はメールアドレスやウォレットアドレスのみで完了するため、個人情報の流出防止に役立ちます。またQRコードでの送金や決済も可能です。

コインベースの取扱い仮想通貨は、ビットコイン、イーサリアム、ライトコインの3種類です。スマホに無料のアプリをダウンロードしておけば、簡単に取引や管理が行えます。

 

コインベースは一般消費者向けと事業者向けの2種類のサービスを提供しています。事業者向けサービスは、ビットコイン決済に対応するためのツールで、デルやエクスペディアを含む企業約5万社で利用されています。

 

国や地域で異なる通貨や国際送金および決済で課せられる手数料が、国際的な事業拡大の大きな壁となっていましたが、全世界共通の通貨であるビットコインに対応することで、こうしたハードルをクリアできると期待されています。

 

仮想通貨が消費者にとってもビジネスにとっても「新しい通貨」として一般的に使われる日は、そう遠くはないかもしれません。

 

筆者プロフィール/一村 明博
東京都出身。成蹊大学法学部卒業。1993年、大和証券入社。富裕層や中小企業オーナーを主な顧客とする個人営業に従事し、常に全国トップクラスの営業成績を残す。入社3年目には全国NO.1を獲得。

その後、2001年に松井証券入社。2004年、最年少(当時)で同社営業推進部長、そして2006年には同社取締役に就任。高度かつ専門的な知識が必要とされる金融業界において20年以上にわたり500人以上の部下を育てた人材育成のプロフェッショナル。

 

株式会社ZUU (英語名 ZUU Co.,Ltd.)
〒153-0042東京都目黒区青葉台3-6-28 住友不動産青葉台タワー9F
従業員数:66名 (パート・アルバイト・インターン・海外支社社員含む、2017年12月時点)

https://zuu.co.jp/