(写真=写真AC)

 

近頃、日本でも頻繁に耳にするようになった「クラウドファンディング」。

「自分の書いた本を出版したい」「ビジネスアイデアを形にしたい」など、様々なプロジェクトに対して、インターネットを通して資金を集める仕組みです。通常、資金を集めたい起業家やクリエイターは専用のプラットフォームで計画やアイデアを発表し、興味を持った支援者が資金を提供します。

 

日本では2011年頃から本格的にサービスが始まり、中でも国内最大規模のクラウドファンディング・プラットフォームに成長を遂げたのが、「CAMPFIRE(キャンプファイヤー)」です。

 

音楽、本・漫画、アート、映画といったクリエイティブなプロジェクトが対象で、これまでに1万件を超えるプロジェクトが生まれ、36万人以上の支援者から総額39億円が集まりました。

 

資金を募る場合は、目標の金額と期限を決めます。期限までに目標金額を達成しなかった場合、支援金はパトロンに全額返金される方法と、集まった金額だけを支援金として募集した側に渡る方法があります。

 

2018年1月末時点に公開中で、100%以上の資金獲得に成功しているプロジェクト例では、「食事券を使って自立できる子どもを増やし育てる」や「一般社団法人日本キックボクシング選手協会の設立&運営資金を集めたい」などがあります。個人だけではなく、大手企業も参加しています。

 

支援する側にとっては、支援をしたら何がもらえるのかという点も気にかかるでしょう。

クラウドファンディングにはいくつか種類があるのですが、CAMPFIREはモノ・サービス・体験をリターンとして受け取る「購入型」を採用しています。

 

CAMPFIREを立ち上げたのは、連続起業家の家入一真氏です。

インターネット関連サービスを提供するGМОペパボの創業者としても知られています。CAMPFIREのほかにも、身近な友人同士で始めるクラウドファンディングアプリ「Polka(ポルカ)」などを運営しています。

 

17年にはCAMPFIREを通し、仮想通貨取引所「FIREX(ファイヤーエックス)」開設。ブロックチェーン技術「mijin」や仮想通貨取引所「Zaif」を提供するテックビューロと提携し、仮想通貨「ビットコイン」や独自のトークンなどの取引を計画していました(現在は取引所のサービスを一時休止中)。

 

サービスのリニューアル再稼働に向け、現在は仮想通貨交換業者の登録申請審査待ちとのことなので、今後の進展に期待したいところです。

再稼働のあかつきには、クラウドファンディングの決済手段に仮想通貨を利用することも可能になるかも知れません。

 

新しいモノが広く受け入れられるのに時間を要する日本では、未知の分野に挑戦し続ける企業は異色の存在としてとらえられるかも知れません。

しかし「ゼロからイチを作る」という家入氏の起業家精神がしっかりと伝わってくるCAMPFIREのような企業が増え、活躍することで、経済活性化だけでなく挑戦する文化の醸成というポジティブな影響も期待できるのではないでしょうか。

 

筆者プロフィール/一村 明博
東京都出身。成蹊大学法学部卒業。1993年、大和証券入社。富裕層や中小企業オーナーを主な顧客とする個人営業に従事し、常に全国トップクラスの営業成績を残す。入社3年目には全国NO.1を獲得。

その後、2001年に松井証券入社。2004年、最年少(当時)で同社営業推進部長、そして2006年には同社取締役に就任。高度かつ専門的な知識が必要とされる金融業界において20年以上にわたり500人以上の部下を育てた人材育成のプロフェッショナル。

 

株式会社ZUU (英語名 ZUU Co.,Ltd.)
〒153-0042東京都目黒区青葉台3-6-28 住友不動産青葉台タワー9F
従業員数:66名 (パート・アルバイト・インターン・海外支社社員含む、2017年12月時点)

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