
ITソリューションを展開する株式会社From Uhは10日、建設現場と大型ダンプ事業者をオンラインで結ぶBtoBマッチングプラットフォーム「Dumps(ダンプス)」のβテスト版の提供を開始した。
これまでの建設業界において、ダンプの手配は電話や既存の人的ネットワークに依存する「アナログな調整」が主流であった。しかし、労働人口の減少と法規制の厳格化が進む中、従来のやり方は限界を迎えつつある。今回ローンチされた「Dumps」は、業界が抱える需給のミスマッチをデジタル技術で是正し、建設DX(デジタルトランスフォーメーション)を加速させる一手として注目を集めている。
サービスの開発背景には、深刻化する大型ダンプの不足がある。株式会社From Uhによると、物流・運送業界の2024年問題や少子高齢化の影響を受け、ダンプの運送事業者および運転手は減少の一途をたどっているという。若年層の入職者不足も相まって、現場でのチャーター手配は年々困難さを増しているのが実情だ。
一方で、目を向けるべきは偏在の問題である。ある地域ではダンプが不足して工事が遅延する一方、別の地域では車両が余っているという需給のミスマッチが常態化している。また、「運転手の低賃金=収益性の低い職業」という固定観念が、次世代の担い手を遠ざける悪循環も断ち切れていない。
同社は、単なる手配の効率化にとどまらず、ダンプ事業者や運転手が適正に稼げる仕組みを構築することが、業界の持続可能性(サステナビリティ)を担保するために不可欠であると判断した。
「Dumps」の最大の特徴は、インターネット上で手配を完結させるBtoBプラットフォームとしての機能性にある。
工事現場側にとっては、使用スケジュールや積載物、チャーター料などの条件を指定し、最適な車両を素早く確保できる点がメリットだ。近隣に空き車両がない場合でも、検索範囲を拡張することで広域からの調達が可能となる。
一方、ダンプ事業者側にとっても革新的な機能が実装された。従来は注文を待つ受動的な姿勢が多かったが、公開されている案件一覧から自社の条件に合う仕事を探し、直接オファーを送ることが可能となる。同社によると、これにより閑散期などの空き時間を有効活用し、稼働率と収益の最大化が見込めるという。まさに「待ち」から「攻め」への転換を促すツールといえるだろう。
今後の展開について、まずは4月の正式版ローンチに向け、3月末までは北海道の石狩・後志エリアを重点対象として運用が進められる。現場の細かなニーズを吸い上げ、機能改善を図る方針だ。
正式版のリリース後は、北海道全域、さらには本州へとエリアを拡大していく計画である。さらに同社の視線は建設業だけにとどまらない。将来的には、農作物の運搬に特化した「アグリ版Dumps」の展開も視野に入れているという。
建設資材であれ農作物であれ、物流は経済の血流である。「大型ダンプのチャーター手配ならDumps」という新たなスタンダードが確立されたとき、日本の地域物流はより強靭なものへと進化しているはずだ。
(文責:綿引 亮介)