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私は時間があるとぶらりと自費で海外に飛んでしまう。訪問国はツアー旅行も含め45カ国を超えた。同じ国に何度か足を運んでおり、一人で歩き回れる国が増えた。言葉もろくに話せないのにKKD(勘と経験と度胸)のみで無茶をしてしまう。 昨年は15カ国訪問しており、これは一般人としては異常値かも知れない。しかしそれが経営のエキスになっているのは間違いないと思っている。今回のお話は2011年スペインでの出来事である。スペインと言えば好きな場所は色々あるが、先ずはトレド。トレドの城郭都市を見て感激し、その日の夜、ホテルの薄暗いライトで眠い目を擦りながら、ピカソ美術館で購入した葉書サイズのスケッチブックにペン一本で一気に描いた(冒頭絵)。 生涯初のスケッチ画である。 イタリアのシエナの城郭都市同様、好きな風景の一つに加わった。人間の能力は本当に無限だと思う。誰にも教わらずに絵を描けるようになるとは思わなかった。トレド・城塞都市遠景
ロンダの絶景も素晴らしい。アーネスト・ヘミングウェイが使っていた別荘がある。映画監督で俳優のオーソン・ウェルズとヘミングウェイは親交が深く、二人が愛した闘牛場への小路が残っている。 ロンダは闘牛場でも有名だが、訪れて見ると田舎の闘牛場と言った感である。 日本では地元で愛される「ばんえい競馬」といったイメージである。オーソン・ウェルズは映画監督兼俳優で、タラッタラッタラ~♪と続く曲でも有名な映画「第3の男」でお馴染みの名優である。 平成23年8月18日、スペインの最後の訪問地首都マドリードに着いた。スペインは財政難で貧乏な国? 全然違った。 税金は標準税率18%と高いが、生活必需品は4%と低い。学校や病院が無料で、老人には年2回お小遣い用として小額が支給されるそうだ。 だから〝夜越しの金は不要〟という国民性である。 当日はマドリードとバルセロナのサッカーの試合があり町中大賑わい。夜10時にもかかわらず家族全員でレストランでの食事を楽しんでいる。とても楽しそうで裕福そうに見えた。 スペインは食料自給率が70%と高い。また観光立国である。国内を移動中に道端に飾られた花々を随所に見かける。山はいたる所オリーブ畑で整然と植えられている。兎に角美しい国である。 観光立国になるべき日本もスペインに学ぶべきだと感じた。 同日カトリック教会の祭典に出席するためローマ法王ベネディクト16世がマドリードを訪問していた。 翌日、世界3大生ハムの一つであるハモンセラーノを食べようと町へ、途中でブランド店にぶらりと入ったが店員がそわそわしている。「どうしたの?」と聞くと「パパが来る」と言う。「パパって誰の?」と再び聞くと、怒って「パパだ!」と言って指差す。 通りでは多勢の人が道路を取り囲んでいる。通りに出て覗き込むと、防弾ガラスに囲まれたベンツオープンカーの高椅子に座られたローマ法王がこっちに向かって来るではないか。 驚いた! パパとはローマ法王のことだった。ローマ法王はワールドユースデイに合わせてマドリードを訪問され、王宮の隣にあるアルムデナ大聖堂にてミサが行われるとのことだが、全く知らなかったため本当にビックリした。ロンダの絶景。先端にヘミングウェイの別荘がある。
闘牛場のモニュメント
オーソン・ウェルズの小路
あわててカメラを取り出し撮った写真は逆光か?後光か? お姿は全く見えないのが残念だが、感激の一日となったのは言うまでもない。 真夏のスペインは本当に情熱の国だった。ワインとスペイン料理を堪能し、フラメンコに陶酔し、アルハンブラ宮殿で名曲「アルハンブラの思い出」のギター生演奏に酔った。 将来ギタリストを目指す若者が無心に奏でる名曲は宮殿にマッチし、美しく響き渡った。クラシックギターを弾く者が憧れる美しいトレモロ曲を聞き、学生時代を思い出した。 美酒と美味しいお料理、そして情熱の音楽、本当に満喫できた旅だった。夏の時期に是非一度訪れてみて戴きたい。ローマ法王のパレード(マドリード)
スペイン・レストラン
アルハンブラ宮殿
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次回はロシア一人旅のお話をさせて戴く予定である。