製造業に特化したウェブ制作会社「株式会社オールプレジデント」は、今まで製造業600社のWebに携わってきた。「製造業以外のお客様のWebマーケティングを行う気はありません」。なぜ製造業にここまで心血を注ぐのか。そして、中小企業の抱える問題を解決できるウェブ・マーケティングの秘策とは。株式会社オールプレジデント 代表取締役 徳山正康氏
-他社の提案との違いは何でしょう?
ウェブ・マーケティングの場合、他社では一般的に、HPのデザインから入ると思うが、私たちはそこまでが長い。各担当が確実に勝てるWebサイト戦略の企画を持ち込み、それを充分に練ってからクライアントに提案する。
この際、デザインが美しいとかは重要ではなく、マーケティングで勝てるかどうか、ということが何よりのポイントになります。クライアントがどういう意図があってウェブで展開しようとしているのか、そして商品にはどういう強みがあるのか。こういった分析を行い、どういうキーワードで打ち出していくのかを考えます。そういった点のピントが一致して、それからHPの製作を始めます。
こういう方法は、どこでもやっているかもしれませんが、分業はせずに全て一環でやっているところが我々の特長です。また、圧倒的な経験値を持っているのも大きな特長でしょう。私は今の会社で600社ほどの製造業のマーケティング支援を行いましたが、前の会社でも2000社以上HPを作りました。故に類似の業界での勝ちパターンを知っている。それも我が社の大きな強みです。
-なぜ起業しようとしたのですか?
大学三年の時、起業家と会うゼミに入っていたので、そこで影響を受けたのがきっかけです。起業家の人たちは皆、楽しそうに自分の仕事を語っていたのですが、私には仕事が楽しい、という人がいること自体が驚きで、それで起業家を支援する仕事がしたいと考えるようになりました。
そこで、当初はベンチャーキャピタルに行こうと考えていたのですが、ベンチャーの支援をしたかったらまず、ベンチャーで成功しろ、そうしないとベンチャーの人は話を聞いてくれない、と当たり前の指摘をもらい、それもそうだなと思い、IT系のベンチャー企業で四年間経験を積み、その後、別の会社で経営企画に携わりました。
そういう経験を経て、会社の経営を俯瞰できるようになったので、強みを活かそうと考えて、今の会社を起業したんです。どうせやるなら、前職のころから製造業で働いている人が好きだったので、彼らのお手伝いがしたい、と。
モノづくりに携わる人って真面目で暖かいんです。仕事に於いてやり直しがきかない業種だからこそ、みんな真面目で真摯です。だから、それに携わる人を盛り上げたいとも思っているんです。
-今後はそのような展開を考えていますか?
今、「ものづくり経革広場」というサイトを運営しています。そこではオープン・イノベーションの活用やブランディング支援、クラウド・ソーシングやクラウド・ファンディングの活用などを紹介しています。様々なジャンルの人や技術を巻き込んで、同じプラットフォームで何か新しいイノベーションを生み出そう、と考えているんです。
特に今、注目しているのはオープン・イノベーションの活用。大学などの研究機関で生まれた新技術や、休眠特許などを製造業の人々に紹介しています。大学でも活用法が解らず、売り込み先に困っていた技術が、それを活用できる人々の目に触れることで、良い相乗効果を生み出し始めています。▲ものづくり経革広場▲
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「当社のサービスを導入した中小企業のお客様から、経営が安定した、という話は聞くのですが、私は将来的には下請けを脱却するようにしたいと考えているんです。そして今は人材難の時代。会社に魅力がないと人は集まりません。だからいい商品を作ってもらって、私がその魅力を広めたいんです」と語る徳山社長。彼の情熱が今、製造業に新しい光を当てている。
徳山正康(とくやま・まさやす)…1981年愛知県生まれ。グロービス経営大学院大学(MBA)卒業。
株式会社オールプレジデント
http://www.all-president.co.jp/
〒162-0842東京都新宿区市谷砂土原町3-4-2 市ヶ谷グリーンプラザ102
TEL 03-6457-5777
従業員数:6名