株式会社 M&A 総合研究所(https://masouken.com/)(本社:東京都千代田区、代表取締役 CEO 佐上峻作、以下「当社」) は、2021 年 6 月から 9 月までの期間内で上場企業が適時開示した M&A に関する発表を集計し、考察を記した「上場企業 M&A 動向レポート【2021 年 6 月〜9 月版】」を発表した。
買収対象として「IT・ソフトウェア」関連企業が多かった要因として、新型コロナ禍で大手企業におけるデジタル化推進を図 る機運がさらに高まっていることや、慢性的な人手不足が課題である「IT・ソフトウェア」業界の 3 次受け、4 次受け企業が採 算の改善を求める事例が増えていることが考えられる。
「IT・ソフトウェア」業種を対象とした M&A の中でも、ブリヂストンが運送事業者向けに車両運行管理サービスを展開する 米アズーガ・ホールディングスを 420 億円超で買収した案件が最も取引金額の高い成約案件であった。アズーガ・ホールデ ィングスは GPS トラッキングや運転者のモニタリングなどの車両運行を効率化させるサービスを提供しており、ブリヂストン がモビリティソリューションをグローバルに拡大することを計画していることで今回の成約に至ったと考えられる。今後もメー カーのみならず、ソフトウェアを提供する企業を買収する事例が増加することが予想される。
2021 年に入り「メディア」関連の企業への買収意欲が増大した要因として、メディア領域の中でも市場拡大を続ける Web メ ディアの分野で新規事業の立ち上げを狙う企業が多く存在すること、それに対して Web メディアを展開する企業の中には、 各種 SNS におけるインフルエンサーの増加や、個人が発信力を増した影響で、十分な広告売上を上げることができず、不 採算に陥る企業が増えていることが考えられる。今や多くの人が日常的に Web メディアを活用する中で、今後も大手企業 が情報発信ツールの一つとしてメディア事業の展開強化に乗り出す可能性は高いと予想される。