人類に新しい歴史が刻まれようとしている。海中が新しいプライベート空間となる時代がやってくるのだ。
プロデュースは、OCEAN SPIRAL株式会社(オーシャンスパイラル)。海中を自由に動く気球の中で、ぬれることなく陸上と同じ空間を体験出来るという「海中バルーン」は世界初。
この新しい海洋ビジネスは既に多くの人から注目されており、日本でもいくつかの観光都市とのコラボレーションの話が進められている。
人類初のビジネスを立ち上げたのは、同社代表取締役・米澤徹哉氏。彼はこのビジネスを「人類のセカンドステージへの挑戦」とする。
人類の夢は、神秘の「宇宙」から生物のふるさと「海」へ。最後のロマンへと挑む米澤氏に、プラットフォーマーとしての理念を伺った。

シーマジン社との契約合意時の集合写真
「海の謎はまだ3%しか解明されていないと言います。人類の最後のロマンが海なのです」。これまで誰も考えつかなかった「海中バルーン(海の気球)」。発想と実現化の影には、米澤氏の過去の学びと理念があった。
米澤徹哉 氏
米澤氏の人生の目標は「起業」。就職の際も「独立前提ですが必ず結果を出すので入社させて欲しい」と宣言し、IT系広告代理店(マザーズ上場)に入社した。
部署は新規開拓営業。入社1年後に早くも宣言通りに営業売上高トップを達成させ、2010年には独立。教育企画のコンサルティング企業を設立し、高校時代の手帳に記したミッションを実現する。
営業時代のクライアントとの共同起業で、社長であるもうひとりは大阪、副社長である米澤氏は東京で展開を始めた。しかし、副社長の米澤氏の方が数字を上げていく。「パワーバランスが逆になっていました」。焦ったであろう社長は、売上金を別の事業投資に回してしまう。
「業務提携先に契約金を払う段階になって、お金がないことが判明しました。社長は飛んでしまって行方知らず。黒字倒産です」。売り上げを全て支払いに回すことで破産は免れたが、業界から撤退をせざるを得なかった。「人生最悪の時期でしたね」と振り返る。
そんな時にサイバーエージェントグループの役員から「事業作るの得意でしょ?」と声がかかった。2013年、サイバーエージェントグループの経営戦略室に配属となり、モバイルサービスやアプリ事業の戦略立案、社内新規事業立ち上げを担うこととなる。
「当時、サイバーエージェントグループの事業は多岐に渡っていました。同じような事業を統合してシナジーを生む、または社内ベンチャーを立てるなど、とても楽しく勉強させてもらいました」
しかし、IT事業が持つビジネス形態に、米澤氏は物足りなさを感じ始める。
「すべてがそうではないですが、ITビジネスの多くは、トレンドに合わせたサービス展開、競合する業界のニッチを狙う、タイムマシン戦略としてアメリカで流行っているサービスを真似するなどして儲けるのがセオリーという特色を持っています。
こうした事業を考えることは確かに刺激的で面白いものなのですが、自分が手掛けている事業が、激変する環境下数年先にさえ残らないというものに取り組むことに、自分としてはより後世に残るものに挑戦したいという想いが、いつしか芽生えるようになったのです」。
未来に残る仕事がしたい。歴史に刻まれる市場を作りたい。「私がやりたいことは、1を2にするものではありません。ゼロから1を生み出すことだと気付きました」。
違和感を感じた米澤氏は、サーバーエージェントグループを退職。しかし、この時は起業する事は決めていたが、まだ次に何をやるか、何一つ考えていなかったという。

シーマジン社の潜水艇搭乗
オーシャンスパイラルの理念は「人類のセカンドステージを創造」、そしてミッションは「海中を日常の場に」だ。
市場そのものの創造と、未だかつて無い海中体験を通して、手付かずの海中の価値化(観光資源化)。これまでのマリンスポーツや観光とは全く異なる価値を提供し、市場を創造する。
ピーター・ドラッガー氏曰く、「エジプト文明では2つの大発明があった。ひとつは科学と哲学、数学の概念をもたらしたピラミッドで、もうひとつは生産と生活を生み出した農具の鋤です。そして、現代に於ける鋤として、人類のとって新たな進化を創造するのは海洋ビジネスだ」と。
宇宙開発が現代のピラミッドなら、海洋開発は鋤だ。
「海洋市場の革命は、エンターテイメントだけではありません。医学や科学、鉱物、資源、エネルギー、環境など、あらゆる部門が大きく動きます。未開も含めると地球上の生物の90%は海にいると言われており、未だ3%しか解明できていない海。
宇宙は数百光年先が見えるのに対し、海中は100M先が見えていない。宇宙と違い、人類が過ごした地球には歴史も詰まっている。まさに、海洋開発は、人類のロマンでありセカンドステージなのです」。
同社のビジネスは、「海中バルーン」だけではない。海中の魅了を発見・撮影する「海中ドローン」、メディア化して発信する「海中メディア」など、2020年に向けてのプロジェクトは進行中だ。
市場を拡大することで海洋開発を活発化させ、地球が抱える資源やエネルギー、環境問題の課題を、解決へとつなげることが狙いだ。
「我々はものづくりではなくプラットフォーマー」と米澤氏はいう。
「海中の情報や空間をハブとして、すべてを巻き込み、繋ぎ、新しい市場を作り、心満たされる感動や価値を提供します。100年先、1000年先の未来の子ども達へ、海中を体験することが当たり前な新世界を届けることが目標です」。
生命の源である海に、体験したことのない感動を以って人類は回帰する。「人の心が豊かになるビジネスを続けること。それが私の理念です。」地球の歴史に、新たな文明「海中体験」が始まろうとしている。
米澤 徹哉 (よねざわ・てつや)
OCEAN SPIRAL(オーシャンスパイラル)株式会社・代表取締役CEO
1985年大阪府大阪市生まれ。高校時代に「2010年に起業」と手帳に記す。
IT系広告代理店(マザーズ上場)の新規開拓営業として入社。1年後に社内で営業売上高トップを達成。
2010年、高校時代のミッション通り、教育企画のコンサルティング企業を設立。
2013年、サイバーエージェントグループの経営戦略室にて、新規事業の立ち上げや経営を担う。2016年1月、オーシャンスパイラルを創業。
OCEAN SPIRAL株式会社(オーシャンスパイラル)
本社:東京都港区北青山3-6-7 青山パラシオタワー11階
アメリカ支社:108 West 13th St. Wilmington, Delaware 19801, USA
ハワイ支社: 1803 Hunnewell St. Honolulu, Hawaii 96822, USA
設立:2016年1月(米国法人)、2016年11月(日本法人設立)
資本金:5,100万円
【問い合わせ】
info@ocean-spiral.com
TEL:03-5778-5272
http://ocean-spiral.com/