新旧の確執から生まれた〝地殻変動〟

東京下町に見るモノづくりの未来形

◆取材・文:加藤俊

4回 モノマチ 集合写真 (1280x853)

職人とクリエイターが一堂に会した第4回モノマチ交流会での大集合写真

 

東京・台東区に、〝カチクラ〟と呼ばれるエリアがある。JR御徒町駅から東へ台東、東上野、小島、元浅草、三筋、鳥越、寿、蔵前、浅草橋と続く昔ながらの下町、工場・問屋街である。その狭い路地を歩くと、そこかしこから小気味いいモーター音や、コトコトと木や金属を打ち付ける音が、ひっきりなしに聞こえてくる。

そのカチクラを中心に、去る5月24日~26日、「第4回モノマチ」なるイベントが開催された。普段あまり目にすることのないモノづくりの現場を、広く一般の人に見てもらうことで、この町をより知ってもらおうという狙いだ。

と、ここまではよくある話だが、特徴的なのはそのきっかけである。

 

ひと言でいうと、新旧(のモノづくり勢力)の確執から生まれた、一種の地殻変動と言っていい。一帯に若い世代のクリエイターや、デザイナーらが続々と店舗を構えるようになったことから生じた新たな問題が、この町の将来を、根底から変えようとしているのだ。その意味では単なる町起こしのイベントとはひと味もふた味も違う。とまれその、それぞれの当事者に、それぞれの心中を忌憚なく語ってもらった。

◇◆東京下町に見るモノづくりの未来形の記事◆◇

●皮漉き職人の矜持! 有限会社浅原皮漉所 「本当の職人の仕事を見せてやるっ」

 

● 有限会社田中箔押所 〝田中社長〟から〝田中の兄貴〟へ モノマチが教えてくれた若手クリエイターと組む楽しさ

 

●株式会社ラモーダヨシダ 〝知らない者同士〟だったからこそ、クリエイターを受け入れられた モノマチ成功の知られざる背景

 

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【別掲】

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「今回のモノマチは、クリエイター、職人ともに台東区の各地域で参加企業が増えたことにより、足を運んでくれた一般の方たちがこの地域全体を隈なく歩いてくれるようになりました。

一般の方たちに、モノづくりの現場を知ってほしいという思いで始まったモノマチも、ここにきてやっと地域の方たちに受けいれてもらえるようになったのだと思います」(モノマチの生みの親である台東デザイナーズビレッジ=デザビレ=の村長・鈴木淳氏)

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モノマチ×あつらえ×SPEAK EAST! 変貌を遂げる台東区、この街はいずれパリになる! 

 

 

町工場・中小企業を応援する雑誌 BigLife21 2013年7月号の記事より

町工場・中小企業を応援する雑誌 BigLife21 2013年7月号の記事より