オビ 企業物語1 (2)

 SFW(創生フューエルウォーター)特集

【chapter5】有識者の見解

◆取材:綿抜幹夫

オビ 特集

東京工業大学 名誉教授 工学博士有冨正憲氏 国立大学法人 東京工業大学 原子炉工学研究所 名誉教授 工学博士/有冨正憲氏の所見

1.創生フューエルウォーター(SFW)を利用した発電について

大いに期待できると考えます。今後は、A重油や軽油(燃料基油)にどれだけSFWを混ぜると最も効果的か、どこまでSFWの比率を高められるかを実験していくことが必要ですが、動画で公開されている30%〜40%だとしても、じゅうぶん価値があると言えます。

 

水を混ぜた燃料基油がディーゼルエンジンで燃焼すれば、高温高圧状態の蒸気発生により体積膨張してピストンを押す力になり、馬力向上の助力となることは、エマルジョン化した水と燃料で実証されています。

但し、エマルジョンに関しては、界面活性剤が燃料送油管やエンジンに悪影響を与えるため、ディーゼル機関等への応用開発は進んでいませんでした。

 

鶴野省三氏(防衛大学名誉教授)の実験では、「A重油と一般的な水」と「A重油とSFW」を各々50%混ぜたエマルジョンで発熱量を比較した結果、前者の発熱量はほぼ50%ですが、後者では80%程度に高まると報告されています。

 

 

2.混合方法の確立が課題

燃料基油とSFWの混合燃料について、単に混合比率の問題だけではなく、各気筒に噴射される燃料の混合比率が一定でなければ、エンジンの耐久性に支障が出てしまいます。均質な混合比率の混合燃料が各気筒に供給されることが必要ですから、その混合方法の確立が課題です。

 

 

3.原子状水素の有無について

普通の水ではエンジンは止まり、SFWでは動くということが事実なら、少なくとも、分子状水素ではなく原子状水素が含まれていると考えられます。さまざまな実験が、SFWには原子状水素が含有されているという仮説によって現象を説明しています。

しかし、原子状水素を直接観察した実験はないため、科学的には実証されていません。気体として溶存しているのか、液体として存在するのかも、物理・化学的には解明されておらず、学術的に未知の状態です。

 

とはいえ、SFWと水の最適な混合比は今後種々の実証試験で判明し、工業面での応用は進むでしょう。学術的な証明は、産業での活用が進んだ後で、興味を持つ研究者が解明していく可能性もあるわけです。

 

 

4.マレーシアでの実験の学術的な意義

深井さんたちがこれまで行ってきた「動画の公開」という方法では、信じない人もいます。実験に不正や手落ちがないとしても、信じてもらえるか、もらえないかの差は大きいので、最終的には外部の調査機関などに依頼して実証するのが理想です。

マレーシアでの実験は深井さんたちの手によるものですが、大勢の立ち会いの下で行われましたから、動画の公開と比べて、信用度ははるかに高いと言えます。マレーシアでの試験航海は学術的な意味よりも、産業面での活用に対する意義が大きいと思います。

 

 

5.産業面での活用について

初期投資と、SFWの生成に必要な電力や保守管理費等を算出し、燃費の向上が本当に全体のコスト低減に繋がることを実証できれば、産業面で活用されるでしょう。

特に、大気汚染や海洋汚染が厳しく課税される海運会社には多くの需要があると思います。しかし、たとえばオイルタンカーのような大きな船で利用するのであれば、SFWの消費期限を調べ、港で生成して積み込むのか、製造装置を船に搭載するのか等を検討し、コストを精査していく必要があります。

 

 

6.新エネルギーとしての意義は

石油は国際価格ですから、我が国と新興国とで、化石燃料を用いた発電単価の差は人件費のみです。燃料消費量が削減できれば、SFWの開発は日本発のエネルギー技術として大きな意義があると言えます。

CO2削減によって地球環境問題にも貢献できるほか、電力の乏しい新興国では大型ディーゼル発電機の導入が検討されていますから、SFWによる燃費の向上は大いに期待できます。

 

 

九州大学教授 農学博士 白畑實隆氏九州大学大学院農学研究院 生命機能科学部門大学院システム生命学府 システム生命科学専攻 大学院生物資源環境科学府 生命機能科学専攻
教授 農学博士/白畑實隆氏の所見
九州大学准教授 博士(農学)富川武記氏九州大学大学院農学研究院 生命機能科学部門
准教授 博士(農学)/富川武記氏の所見

■「活性水素」を含む水についての見解

電気分解した水中であれば、いわゆる活性水素は理論的にも存在します。しかしながら、化学で活性水素という言葉は別の意味でしか使用しませんので「反応性の高い状態になっている水素分子または原子状水素」が存在するという事です。

しかし、私共が確認した範囲では、電気分解した水に「反応性の高い状態になっている水素」が残存する量は、非常に少ないことがわかっています。その量は1リットルあたり約10ピコグラム(一秒毎、ピコはミリの10億分の一)という程度になります。

水中に活性化した水素というものが存在することは確かに言えますが、それは量が少ないということとセットなのです。「活性化した水素が存在する」と言うと、それだけでなんだかすごいというイメージで捉えられてしまいがちですが、含有量としては非常に少ないという事を併せて考えなくてはなりません。

 

今回、SFWという水を用いて燃費を40%削減したというデータを頂きました。情報が少ないので推測になってしまいますが、SFWの中身はおそらく殆どがふつうの水で、その中にごくわずかに活性化した水素が存在する可能性はあります。SFWを入れた量や割合にもよりますが、そのごくわずかな活性化した水素が関与して、40%もの燃費削減をもたらしたという結果が事実なのであれば、これまでの研究を背景に考えても、大変驚きです。

 

 

■SFWの燃費削減効果への見解

頂いた情報の範囲でお話しさせて頂きますと、まず、油となじむ水というのは存在します。そして、なじんでいれば、何かが混ざっていてもエンジンは問題なく動きます。

ツーサイクルエンジンなどはオイルとガソリンを混ぜて使っていますね。また、バイオ燃料としてエタノールを混合してもエンジンが動く事も知られています。水の場合は、たとえばアルカリ性を持たせれば、ある程度の量であればきれいに油と混じります。アルカリイオン水などがそうです。分離しませんから、攪拌された状態であれば、そのまま使ってもエンジンは動きます(この話は前提としてエンジンの各部品[パッキン、シール等]が混ぜた物質に対して影響がない場合の話です)。

 

SFWは黒曜石とトルマリンペレットを通した水だと伺いました。黒曜石処理による水の変化については情報が少ないですが、ペレット状のトルマリンを通すと複数のミネラルイオンが溶出し、通常の水と比べて特定のイオン濃度が高くなり、pHも上がります。このため油になじみやすくなり、結果エンジンが動くことは納得できます。

 

その為、SFWが燃焼効率を上昇させるかどうかを検証するならば、「油となじむ性質を持つ、SFW以外の水」との比較実験を行い、そのときに燃焼効率がどのように違うかについて調べなくてはいけないと思います。

特に活性水素が関与しているとするならばSFWのpH、含有イオン量等も同じにした対照水を作製して比較が必要になると思われます。頂いた資料には、「水素水」や「超純水」を混ぜた場合エンジンが止まってしまったとありますが、これらの水は油と混ざらないでしょうから、エンジンが止まるのは当然です。

 

まず、「水素を含む水」の中での比較ではなくて、「油と混ざる水」の中での比較が必要ということです。この辺りの比較実験をきちんと行って、それでもSFWを使用した場合エネルギー効率が高いという結果が出れば、エネルギーとして活用できる可能性が現実味を帯びてくるといえるでしょう。(次に続く 【chapter6】SFW実用化への期待

 

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深井利春(ふかい・としはる)氏 代表取締役社長

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