オビ 企業物語1 (2)

株式会社RockHill ‐ 訪日観光客受入整備を裏方としてサポート!

◆取材:加藤俊
オビ ヒューマンドキュメント
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訪日観光客受入整備を通して日本と中国の懸け橋に。

 

中国からの訪日観光客の受入れをバックアップ

新規事業支援や訪日観光客向けの受入整備や集客に関するコンサルティングをおこなっている株式会社ロックヒル

増加する訪日観光客の受入整備や集客の支援を自治体・宿泊施設様や飲食店様向けにコンサルティングを行っている。

このロックヒルが既存のインバウンド事業者と異なるのは、中国の旬なネット活用に関する知見を持っていること。

日本に来ている留学生を活用したマーケティング支援を行っている事である。

同社の蛭田一史社長に、昨今のインバウンド事情と今後の展望についてお聞きした。

 

中国ではFacebook・Twitterは使えない

―まず、中国のネット事情について教えて下さい。

 

蛭田一史

蛭田:ことネットという分野に関して言えば、中国と他国との間には見えない壁が聳えていると言えます。中国はいわゆる検閲社会です。中国政府は金盾(きんじゅん/ジンドゥン)と呼ばれるインターネット検閲システムを通して、Facebook・Twitterなどのサービスを同国内で使えないようにしています。ただ、それがために同類のサービスが中国初で誕生することになり、中国マーケットの巨大さから世界を席巻するようなサービスが存在するようになってきています。

今後はこうした中国で流行っているSNSの活用が必須になります。例えば、微博(ウェイボー/weibo)、微信(中国語読み:ウェイシン、英語:WeChat、ウィーチャット)という日本で言う、Twitter・LINEに近いサービスが中国では流行っていますが、それらを活用してPRを行う戦略を組み立てないと、訪日観光客を上手く取り込むことはできないでしょう。

実際に、抑えるべき中国発の代表的なサービスに、

 

Google ≒ 百度 (検索エンジン)
Skype ≒ QQ (インターネット通話・チャット)
Twitter ≒ 新浪微博 (マイクロブログ)
Facebook ≒ 人人網 (SNS)
YouTube ≒ Youku (動画配信サービス)
LINE ≒ 微信 (メッセージングサービス)

 

などがあります。これらの独自のネット文化が中国には存在するため、中国国外からウェブやモバイルサービスを活用してプロモーションを行うのは、現段階では大変難しいと言えますが、日本企業が中国からの訪日観光客対応を行うには、こうしたサービスの活用も必要不可欠となってきています。

中国はトレンドの移り変わりが大変早い国柄です。

弊社では、長年中国のネット企業との繋がりがあり、中国版食べログの大衆点評の公式のアカウントの作成サービスなど

中国の方が普段使い慣れているサービスを日本でも使えるようにローカライズを行い

訪日観光客が実際使い、拡散し易い仕組みをつくるサービスの設計を行っております。

 

 

中国からの訪日観光客は今後、地方に流れる

―今は円安で中国から観光客が来てはいますが、これはいつまで続くでしょうか?

 

蛭田:やはり円安である限りは観光客の増加を見込めますが、このギアが変わってしまうと話は異なってくるでしょう。日本企業に求められるのは、多くの観光客が訪れている今のうちに如何に将来を見据えた準備と投資ができるか、観光客誘致を戦略的に行っていけるか、という点だと思います。

現在、旅館やホテルは外国人観光客の特需により7・8割稼働が当たり前な状況が続いていますが、実際の所適正なサービスを中国人観光客に行えている企業は殆どありません。まず自分のホテル・飲食店が中国のクチコミサイトでどのように評価されているかを把握することです。これさえわかっていないというのが現状なのですから。特にその傾向は地方に見られます。

これからの訪日観光客は今以上に地方を訪れます。日本のきれいな景色、水、料理に関する情報は中国でも広く共有されるようになってきています。一方で、地方の自治体や宿泊施設、観光関連企業が、訪日観光客に対して魅力的なPRができているかと言うと、まだまだな気がします。

 

 

昔の日本人も同じだった。中国人も成長している。

―実際にはどういった点を改善すべきなのでしょうか?

 

蛭田:まずは「意識から」と言えます。ホテル・飲食店さんの中には、中国からの観光客を好まない所も少なくありません。理由としては、「話し声がでかい」「部品がなくなる」「値切る」などが挙げられます。ただ、日本が現在の経済レベルを維持していくためには将来的に観光立国となることが不可欠です。その際、中国マネーを無視することはできないのです。

観光客を好む好まないは各人の自由ですから、それをとやかく言うことはできませんが、少なくとも観光産業の近いところにいるのであれば、考えを改める必要があるとは言えそうです。何より、中国人のマナーに関して指摘されることは、高度成長期にヨーロッパなどで日本人が言われていた事と殆ど同じであり、中国人も今は成長過程なだけで、おそらく数年後には変わっていくと思われます。確かに中国は13億人もいる国ですので色々な方がいます。

ただ、富裕層に属する方達に関しては昨今ではマナーも浸透し、「話し声がでかい」「ホテルの備品を持って帰る」「値切る」というような話は減ってきていることは間違いありません。

中国人の訪日観光客を好まないという飲食店経営者の方などもおりますが

訪日外国人における旅行消費額(2016年)は約3.7兆円となっておりますが、このうち中国人における消費は1/3以上という数字が出ております。

この数字からも、中国人の旅行消費額の高さが伺えます。

 

単に翻訳しているだけの観光マップは見てもらえない

―意識を変えた先に、何をすべきなのでしょうか?

 

蛭田:中国人に適したサービスを展開することです。例えば、自治体や宿泊施設、観光関連企業のWebサイト・観光マップでも中国人が理解に苦しまないレベルの中国語を用意することです。現在でも、他言語化は一応用意されるようになってきています。しかし不自然な翻訳が目立ち、中国語では中国人が思わず首を傾げるレベルの翻訳が多いのです。自動翻訳しただけのものが未だ横行しているのが現状です。

まずこのレベルを脱しないと。中国人が見ても違和感を抱かないレベルの翻訳を用意すべきです。また、自動翻訳では検索エンジンからインデックスもされないため、ユーザーがそのWebサイトに辿りつく可能性自体が極めて低いです。

弊社では、現在、英語、中国語のみ対応を行っておりますが、直訳ではなく、訪日観光客が分かりやすいよう意訳での記載や

飲食店であれば、訪日観光客の来店するパターンを想定し、メニュー設計を行っております。

 

経済が縮小していく中での活路は観光立国

蛭田:訪日外国人旅行者は昨年までの2年間で500万人増え、年間1,300万人を超えるようになりました。今年に入ってからも前年比で4割以上増えています。国としても観光立国推進閣僚会議を行っていますが、現在6千店余りの地方部の免税店を2020年に2万店規模に拡大を目論んでいます。さらに、昨年2兆円だった外国人観光客の消費額を訪日2,000万人達成の年に、4兆円に倍増することを掲げています。

ただ、観光の『稼ぐ力』を高めなくては、全国津々浦々に観光客を呼び込めても消費される額は上がりません。今は正に訪日観光客の受入体制を整える事が自治体・宿泊施設様や観光関連企業の喫緊の課題と言えます。

 

―有難うございました。

 

 

オビ ヒューマンドキュメント

蛭田一史(ひるた・かずし)氏…1984年1月22日生まれ 神奈川県三浦市出身。2009年5月Webサイトの制作、映像制作の会社として株式会社RockHillを設立。

2013年5月より、堀江貴文氏プロデュースのグルメアプリTERIYAKIの立ち上げに参画し初代編集長兼社長となる。2014年6月TERIYAKIを辞任・

2014年より、訪日観光に関する事業に携わる。中国のLINE的な微信(中国語読み:ウェイシン、英語:WeChat、ウィーチャット)を活用した訪日観光客向けの事業立案、中国のTencent社の日本進出サポートなどを行う。その後、株式会社JAPANPRを設立。日本と中国のソーシャルメディアを理解している第一人者として、日本の飲食店や自治体の情報を中華圏の訪日観光客に対してプロモーションを行う。

2016年には中国の南京にて現地の飲食店経営者に対して講演を行う。2017年4月株式会社JAPANPRを株式会社RockHillと合併。

現在は、大手飲食店チェーンの訪日観光客の受入整備や、大衆点評の日本国内での公式アカウントの企画・運用・販売を行っている。

 

 

◉株式会社RockHill

〒238-0103 神奈川県三浦市南下浦町金田974−4

http://www.rockhill.jp/

 

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