寿命長寿国日本は百年時代を迎えようとしている。が、日本の医療費の総額は42兆円を超え、その7割りが60歳以上に使われている。

誤解を恐れずに云えば、ただ生命を永らえるだけの長寿では意味がなく、健康であってこそ長寿の慶びを享受できるのである。

今まで、運動や栄養面などでサポートする事業社はあったが、トータル提供する団体はなかった。

そこで、年齢や体力などに関係なく、個人に合った最適なメニューを提供するために設立されたのが株式会社タイチライフだ。

 

太極拳と食薬

 

タイチライフの特徴を大きく分けると、運動と食から健康にアプローチするのだが、運動は太極拳、食は漢方を基礎にした「食薬」である。

因に、社名のタイチライフのタイチとは英語で太極拳のことである。

いうまでもなく、太極拳は古来より中国に受け継がれて来た武術だが、それ以前に「太極」は万物の根源であり、ここから陰陽の二元が生ずるとされる根本思想だから、道教や儒教などの中にも流れる普遍的な文化でもあり、中国では武術のみならず健康法としても生活の中に生かされて来た。が、現在では武術の面が薄れているのは当然である。

 

太極拳は他のスポーツと違う要素が多く、心身ともに「健康効果」があることはハーバード大学の研究でも「動く医薬」として立証されている。

食は漢方の考え方をベースにしたもので、「体質にあう食材でなおす体調を保つ」という身体に優しいと言うものを超えて、予防医学がコンセプトである。

 

目的に合ったプログラム

タイチスタジオの様子

 

太極拳が健康に良いことは分かっているが、ほとんどの日本人がイメージするのは、中国の老人が朝早く広場に集まり、ナマケモノの様な緩慢な動きをしている場面だろう。

だが、その中には色んな連続の動きがあり、それが健康に良いとされるのだが、実際にやってみると覚え難いところがありマスターするのに時間がかかるのだ。が、タイチライフではそれぞれの動きの効果を内部の4名の医者や研究機関と共に科学した上で簡単に覚え易くアレンジしたエクササイズとたのである。

しかも、運動が目的ではなく、転倒防止や体幹を鍛えるなど、個人個人の目的に合ったプログラムを作るのだ。

タイチスタジオの様子

 

百人百色のメニューで体質改善

食薬とは「食べ物で治す」考え方だが、タイチライフではその方法を具体的に学ぶことができる。

例えば、ウエブに開設されている「食薬Kitchen」では、質問表に自分の身体の症状を回答すると診断結果が回答され、その人に合った食材とメニューが知らされる。

さらに、太極拳と同じように、その人にツボを刺激することで体質改善が図られるように指導される。

 

さらに云うと、食薬Kitchenでのメニュー作りは体質ばかりでなく、「イライラ怒りっぽい人」など、気質も勘案されるのだから、体質に合う食材選びでトータルとして心身の不調を予防、改善出来るのだ。

医学面の監修をする関隆志先生は東北大学教授で、WHO (世界保険機関)で世界中の食薬統計基準を定める会議でアドバイザーを務めていのるで、食薬の講座を受講すれば、現在世界で活用される東洋医学の最新情報を学ぶことになる。

 

運動・食・商品・情報を一体化

繰り返しになるが、タイチライフは運動(太極拳)、食(食薬)を中心にして、実践するスタジオの運営、資格講座の運営、ウエブでの食薬Kitchenを開設しているが、それらをサポートするため、次のような事業も行っている。

一つは「MY食箋」として青仁烏豆(黒大豆)やガジュツ(紫ウコン)、リコリスなど、19種の健康食品の販売。

また、リンパの流れを良くする「エクサ&マッサージサポートコスメ」など、太極拳エクササイズをより効果的にするコスメをドクターと共同で開発し、販売している。

さらに、それらに関連した雑誌や単行本の出版することで、それぞれの事業が有機的に繋がっている。

 

漢方の貿易から始った

李征氏

 

社長の李征(りせい)氏は西安生まれの中国人である。西安はかつては長安と呼ばれてシルクロードの東の起点にあたり、長年首都だったから、いわば李氏は都会っ子である。

日本に来たのは1989年で、「北京の大学で一年勉強して京都の龍谷大学に留学したが、途中で辞めたんですよね」とすらっと云った。

 

そして、大阪で漢方の原料を輸入し、販売する会社を設立したのは1992年だった。

李氏はそのことを「学校を辞めて貿易の仕事を始めたんですよ。食品の貿易とか漢方薬とか。その後で完成品も造り始めるんですが、22歳ぐらいの時だったかな」と、明快にファジーなことを云った。

 

1992年だったら、会社を始めて27年になる。が、李氏は40代の初めにしか見えない。

念のために「社長のお歳は?」と聞くと、「49歳です」と即答した。が、とてもその歳には見えない。何か秘訣でもあるのかと、余計なことが頭をよぎった。

 

貿易会社とタイチライフの関連を聞くと、「初めは、ただ会社が成り立って行ければ」と云う程度で、

はっきりしたものは持っていなかったが、世の中は高齢社会になり、それに連れて予防医学が意識されて来た。

考えて見れば、中国では薬膳があり、予防医学は家庭内の問題だった。

李氏は近畿大学や大阪大学と提携して共同研究し、漢方の素材の研究開発をやりながら、次第に健康志向への形が明確になって来た。

そして、日本にも薬膳と云う言葉はあるが、その本質がまだ理解されず定着していないことが分かった。

それを定着させると共に、運動として太極拳を加えて相乗効果を高め、さらに経穴(ツボ)を加えて「東洋の知恵の三位一体」とした方が効率的に健康に寄与するはずだと考えてタイチライフ設立したのだった。

 

日本文化として世界に発信

漢方は中国から伝わったが日本で独自に改良され、現在世界で通用している漢方薬のほとんどが日本製である。それは、東洋の知恵に西洋の科学を取り入れたからだった。

一昔前までの漢方は煎じるのが中心だったが、日本では西洋医学の手法で成分と効果を科学することで薬効を高め、呑み易い錠剤などを開発して、西洋と東洋の融合した新しい日本の漢方として発展させたのである。

 

現実に伝承や経験則を盲信すれば、危ういことだって無いとも限らない。

例えば、日本の漢方の基になっている李時珍の『本草綱目』をめくってみると、植物や鉱物はそうでもないが、動物、魚、虫になどの用法や薬効には、現代の我々の目から見ると、「ホントカネ?」と思える箇所もあり、食べ合わせになると「どぅして?」と思わず笑ってしまう箇所も少なくないのだ。

太極拳にしても、タイチライフの太極拳は科学され、無理なく覚えられて効率よく効果が得られるようにアレンジされているので、日本の太極拳とでも言えるものである。

伝統の上に立って時代に合ったスタイルを提案するのも普及のためには欠かせない。

 

例えば、ヨガはインドで生まれた宗教的行法だが、二十世紀の終わる頃から世界に広まった。

それは、インドが突然、普及に乗り出したのではなく、アメリカで宗教色を無くした身体的なエクササイズとしてアレンジされたからだった。

李氏は日本に拠点を作った上で、日本でアレンジされた太極拳エクササイズと食薬をトータルの健康法として世界に発信しようとしている。

それは、海外に出先機関を作るのではなく、「海外への発信はウエブサイトで充分」だと云うが、それは、接触が容易な,メディアの方が、「人種、国、貧富、年齢を問わず、健康に役に立ちたい」と云う李氏の願いに沿うからだろう。

 

急がれるインストラクターの養成

国内、海外を問わずタイチライフの太極拳エクササイズ、食薬を普及させるにはインストラクターが欠かせない。現時点で380名を超すインストラクターが育っているが、まだまだ足りないのだ。

今、タイチライフで開設しているインストラクターの資格講座は東京銀座校、築地校、千葉市川校、神奈川東戸塚校、大阪梅田校で受講できるが、通信制度もある。

 

プログラム監修のドクターは4名で、太極拳エクササイズのメソッドを開発したインストラクターには全日本武術太極拳選手権大会の優勝者が男女ともいて、中には6連覇を果たした猛者もいる。また、中国太極拳選手権 武式太極拳で優勝した女性もいて、現代のニーズに合わせたアレンジとは云っても、伝統はしっかりと受け継いでいて、伝統的な太極拳のクラスも用意されている。

太極拳インストラクターの資格取得者は資格の内容に応じ、提携スタジオで3級講座の指導や高齢者施設でメディカルタイチを指導することも出来るし、オーナーとして自分のスタジオを開設することも、ジムでインストラクターして活躍することもできる。

食薬のライセンス取得者は料理教室の講師や食薬の認定講師として人材を育成するとか、

レストラン、美容サロン、食薬の認定教室の店鋪を運営するなどの道がある。

 

運動と食物、サービスと商品と知識をトータルで提供するのはタイチライフが初めてだが、成功例を見ると、すぐに他社が参入してくるのは目に見えている。

が、「学校やめて貿易始めた」とさらりと云う李氏は、「人種、国、貧富、年齢を問わず、健康に役に立ちたい」と願いながら、些細なことに拘り無く、その時のための良質な「エビデンス」をさりげなく集めていることだろう。

株式会社タイチライフ

代表取締役 李 征(Li Zheng)

〒104-0061 東京都中央区銀座5-14-1 銀座クイントビル8F

TEL:03-6264-3342

FAX:03-6264-3397

E-mail:lizheng920@hotmail.com