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ファントゥファン株式会社  食品業界に特化した人材派遣で絶賛安定成長中!

◆取材:綿抜 幹夫

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17_Fun_to_fun01ファントゥファン株式会社 代表取締役社長/櫻木亮平氏

少々薄日が差してきた日本経済だが、長かった不況のためか消費者の財布のひもはそうそう簡単に緩んでくれない昨今。しかし、どんなに時代が厳しかろうと、人が生きていく限りなくならない支出が『食』に関して、である。

そんな、絶対に必要な産業にも課せられる、固定費抑制という命題を、専門特化した人材の派遣で解決するのがファントゥファン株式会社だ。後発の人材派遣会社が如何に独自の発展を遂げたのか。櫻木亮平社長にお聞きした。

 

成長著しい『ハンズグループ』の一員として……

17_Fun_to_fun04上…同社にて製造販売しているドライトチオトメ / 下…山梨でのドライフルーツ宣伝ブース

櫻木社長率いるファントゥファン株式会社は、仙台に本拠を置く事業持株会社、株式会社チョウエイハンズ傘下の事業会社で『ハンズグループ』の一翼を担っている。中核を成すチョウエイハンズは、グループ全体の統括はもちろんのこと、平成元年の創業以来建築内装を行ってきた。また、商業施設の建築も手掛けており、大型ショッピングモールなどの店舗建築も行っている。

グループ会社はその他に、株式会社ハンデックス(オフィス移転や家具施工など)、株式会社ニホン総建(山形を拠点に内装業や家具製造など)、株式会社ハンズソリューション(LED照明やコスト削減コンサルなど)がある。

ファントゥファン以外の4社は、チョウエイハンズの創業者、徳村顯治氏が社長を兼任しているが、これにはわけがあると櫻木社長は言う。

「ファントゥファンはM&Aでチョウエイハンズの傘下に入りました。私はそのM&A前から社長として在籍しており、そのまま会社を預かっているのです」

グループ全体の今年度売上見込は80億円。業績は右肩上がりだという。その中でファントゥファンも今期見込15億円の売上で貢献している。

「企業風土など、当然異なるハンズグループの傘下に入っても、特にやりにくくなったということはありませんでした。ただ、我が社が入ったことでのグループ全体のシナジー効果となると当初はなかなか実感できませんでした。我が社は人材派遣を行っています。グループ会社が建物を作り、内装をやって、LED照明や通信機器をつけて、最終的に中で働く人を我が社が派遣するという形にもっていきたいわけです。しかし、ことはそう簡単にはいきません。もともとのお客様も違いましたしね」

しかし、それも最近ではずいぶん違ってきたようだ。

「チョウエイハンズではスーパーや飲食店の建築や内装を扱いますが、我が社からはその飲食店の店長や料理人の紹介ができます。平成19年にグループ入りをしたので、現在6年目になりますが、この部分で相乗効果は出始めていますね」

 

 

27歳の若さで社長となる

 

櫻木社長は現在35歳。今でも充分にお若いのだが、ファントゥファンの社長に就任したのは27歳の時。だが、プロパーの社員でも、創業メンバーというわけでもなく、いわば『助っ人』として参加したのだそうだ。

「大阪の大学を卒業して、就職したのが人材派遣の会社でした。そこでの仕事は、ただ右から左と人を送り出すだけで、充実感が得られなかった。ですから5年ほど勤めて独立しました。私は派遣社員を求めていらっしゃる会社側のコンサルタント、つまり、どうやって派遣社員を使えば会社の利益になるかをお教えするコンサル会社を作りたかったんです」

そうして仲間たちと作ったコンサル会社の最初の案件になったのが、ファントゥファンを立て直すことだった。

「ファントゥファン創業半年くらいの時期でした。外部からアドバイスを差し上げるはずだったのですが、結局、中から変えないと、とても会社を立て直せないと営業部長として迎えられました。入社当初は社員20名で、月商200万円という惨状で。そこでまず、社員の皆さんに派遣スタッフとして派遣先で働いてもらいました。自分の給料は自分で稼いでいただくためです。その間に、私や、私が引っ張ってきた社員が新規の顧客を開拓して会社を軌道に乗せ、再び社員の業務に戻っていただきました」

 

短期間で会社は黒字化していった。

「1年くらい経って、当時のオーナーから、君が社長をやるか、そうでなければ会社を畳むか決めてくれと言われました。その時には、お取引先も私自身が開拓したところになっていたし、社員も私が引っ張ってきた人間が多かったので、さすがにつぶすわけにはいかないなと」

27歳の、若き社長誕生だった。それから約8年。今では社員40名、登録派遣スタッフ2万人以上を抱える立派な人材派遣会社に成長を遂げている。

 

 

後発会社が成功するために……

 

いくら前職で人材派遣の仕事を経験していたからといって、それだけで傾いた会社を甦らせることは難しいだろう。どんな心構えで仕事を、経営をしてきたのだろうか。

 

「私が社会に出て10数年。残念ながら不景気な日本しか知りません。ですから、お客様にただ単に安い金額を提示しただけではご用命いただけなかった。金額以上の付加価値をご理解いただかなければならないわけです。では、どうやって付加価値を付けるのか。我が社の場合、それはコンサル力です。お客様の潜在的な問題に対応できるスキルの高い派遣を使っていただければ、生産性が飛躍的に向上することをご説明しています。安さだけを武器にするのは、誰にとっても不幸なこと。価格競争に巻き込まれると、派遣される人材のモチベーションが下がります。賃金が安くなるのですから当然ですよね。

ですから我が社では、時給は高くてもより生産性の高い人材を送り込むことで、トータルで見た時にクライアントの利益になるという方向を目指しているのです。極論すれば時給1・5倍で生産性は2倍といった具合です。時給が高くなれば、派遣スタッフは仕事を辞めなくなってスキルが上がる。結果として生産性が高い人材が育っていくわけです。顧客の言い値でのオーダーを聞くのではなく、コンサル営業を心がけ、それが功を奏しているんです」

 

この心構えがあればこそ、派遣業の後発組ながら、右肩上がりの成長を遂げられたのだろう。

そしてもう一つ、派遣先を食品関係へ特化してきたことも安定成長の大きな要因だ。

「我が社は食品関係の仕事に強いんです。例えば帯広ではスイートコーンの製造にかかわっていますし、関東では大手コンビニ各社のお弁当製造に、我が社から派遣されたスタッフが大勢携わっています」

 

では、なぜ食品なのだろう。

「人材派遣の中でも食品業界はあまり好不況の波を受けません。ですから、これを大きな柱に据えています。事実、あのリーマンショックの時も影響は軽微でしたし。それに派遣を使って効率を上げるノウハウが食品業界はまだまだ遅れているんです。自動車や半導体など、古くから派遣を活用している業界には、それ相応のノウハウが蓄積されていますが」

今では、食品業界に特化してきたことで得られたノウハウで、人材派遣に留まらない事業展開も図っている。

 

「派遣業だけではなく、メーカーとしても活動しています。具体的には、栃木県でドライフルーツの事業を始めました。『トチギのチカラ』という会社に我が社が生産ラインを入れて、ドライトチオトメ(苺)やドライトマトを製造し、スカイツリーの売店や、高速のSAなどで売っています。我が社は『食に強い』というのがセールスポイントですから、販路開拓なども経験しておこうということです」

 

食に関するあらゆるジャンルに精通した人材派遣で、独自の発展を目指すファントゥファン。若き社長の挑戦が、いずれハンズグループ全体を引っ張る原動力になるに違いない。

 

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●プロフィール

さくらぎ・りょうへい氏…昭和53年大阪府生まれ。大阪産業大学卒業。大学卒業後、ダイテックに入社。平成17年ファントゥファンに営業部長として入社。平成18年同社代表取締役社長に就任。

 

●ファントゥファン株式会社

〒101-0033

東京都千代田区神田岩本町1-14 秋葉原SFビル3階

TEL 03-5289-3291

http://www.funtofun.co.jp/

〈グループ会社〉

株式会社チョウエイハンズ

株式会社ハンデックス

株式会社ニホン総建

株式会社ハンズソリューション

 

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